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真紅の花嫁
第8章 紫苑の教師
(でも、あのファイルにあったようなことを、平気でする子だから)
最後のファイル――
〈調教レポート#05〉は、あの夜の映像だった。
美術館の駐車場。
胸も下半身も露わにした真波が少年に嬲られるまでの一部始終。
ビデオカメラは近くの樹の枝にでも設置されていたのだろう。
見下ろすような視点で、暗い野外にもかかわらず、画像は鮮明だった。
これまでのように、最初は〈調教〉と称する、綾音との卑猥な行為を撮影する予定だったに違いない。
そこに飛び入りで真波が現れたのだ。
前半はカットされ、いきなり少年と真波の行為が始まっていた。
何の抵抗もできないまま、少年の指で官能に導かれる己の姿を、真波は最後まで鑑賞した。
胸が張り裂けそうなのに、途中で再生を止めることができなかった。
あの時の屈辱、
恐怖、
羞恥、
怒り、
情けなさ、
そして理性が飛ぶような快感をよみがえらせつつ、映像を見続けた。
見終わった時には、全身が汗でぐっしょりになっていた。
(撮られていた……)
胸を、股間を、執拗にいじくられながら、うっとりとした表情を晒す姿は、とても無理やりされたとは見えない。
その事実に、真波は打ちのめされた。