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真紅の花嫁
第9章 蘇芳の埋火



(な、なにを考えてるの!?)

馬鹿げた想像を頭から振り払おうとするが、ルーバーの隙間に見える淫景がそれをゆるさない。

牡の欲望を軸に、西洋人形みたいな顔が前後に動き、ゆるふわヘアが肩で波打つ。
片手で付け根をしごき、別の手は睾丸をあやし続ける。

額に細かな汗粒を光らせて、横目で亮を反応をうかがう仕草には、はっきりと性的昂揚が読み取れた。



けなげとも言える綾音の奉仕姿に、いつしか自らを重ねていた。

(こ、こんなことが、わたしの身に起こったら……)

あんなに可愛く胸が揺れるはずがない。
大きすぎるふくらみは、ゆっさゆっさとはしたなく弾み、ひたすら男の情欲を煽るだろう。


知性のかけらもない、情けない姿。
男たちに嘲笑われる恥辱。

それでも許されずに、牡肉に奉仕する哀れな身。


それらすべてを、愛する男に克明に見られていたら……

(そんなこと……)

自然と息が荒くなる。


両腕を交差させて自分の身体を抱き、高鳴る心臓を抑え込もうした。



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