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真紅の花嫁
第9章 蘇芳の埋火
(……ひっ)
得体のしれない感覚が、ゾワリと背筋を這いあがった。
不快感や忌避感とは違う、もどかしいような情感。
両脚を内股気味にもじつかせてしまう。
内腿がこすれ、股の付け根に甘いさざ波が生じた。
(う、うそ)
もう一度、そっと脚をすり合わせる。
じわっと湧き上がる快感に、思わずつま先が反り返った。
タックパンツの上から、おそるおそる触ってみた。
ショーツの下に、しっとりとした感触があった。
(ど、どういうこと?)
亮がクローゼットを振り返り、にやりと笑った。
そんなはずないのに、見透かされている気がして、真波は暗闇の中で身をすくめる。
「綾音、気持ちいい?」
「よくない……
気持ちよくなんかない……あ、あ、はぁああんっ」
「うひ。綾音ちゃんの綺麗なアナルが、キュンって締まった。
可愛いなあ。
ほれ、もっとサービス……ぬちょ、ねろ」
「や、だめ……はあああっ……
おしり、だめですううっ」
他人に触れさせてはいけない禁断の器官を、情欲の対象にする。
信じがたい暴挙だが、それ以上に眼を疑うのは、嫌がりつつも、綾音が感じているらしいことだった。
いやだ、やめて、とのた打ちまわる素振りのなかに、官能の兆しがはっきりと見受けられた。