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真紅の花嫁
第14章 茜色の空
話が飛躍しすぎて、ついていけない。
紀美子も説明が必要と思ったのか、順を追って話してくれた。
ある日、市役所の担当者から連絡が来たという。
亮の父親が亡くなって、親戚がひとりもいない。
普通なら養護施設に入るのだが、亮が紀美子の名を出したらしい。
「それからすったもんだあって……
まあ、なんとか認められて、里親になれたわけね」
単なる教え子にそこまでするはずがない。
それが顔に出たのだろう。
女教師は、ふっと笑った。
「はっきり訊けばいいのに。
わたしと亮がどういう関係なのか。
あなた、本当はそれが知りたいんでしょう?」
真波は何も言えず、膝の上で両手をにぎる。