 この作品は18歳未満閲覧禁止です
 この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
真紅の花嫁
第15章 セピアの記憶

「あなた、わかってる?
あの男に利用されてるだけなのを」
綾香の反応がないため、言うことがどんどんきつくなる。
「彼は姫川の人たちに何か恨みがあって、それであなたを弄んでいるだけなの。
あなたを好きでもなんでもなくて、ただ、ひどい目に合わせてやろうと――」
「どうしてそう、いつも上から目線なんですか」
綾音は途中で真波の言葉を遮った。
こっちを見て、いきなりにっこりと笑う。
ぞっとした。
「わたし、矢崎さんのこと、尊敬してたんですよ。
陽ちゃんの婚約相手ってどんな人だろうって思ったら、すごく素敵な人で。
外見だけじゃなくて、知識は豊富で仕事は出来る。
いろいろ親切に教えてもくれるし。
美術館の人たちの評判だって、すごいいいじゃないですか。
でも――
わたし、少ししたらわかっちゃいました。
真波さん、最初っからわたしのことバカにしてましたよね」
「そんなこと……」
綾音は強く首を振った。
 

 作品検索
 作品検索 しおりをはさむ
 しおりをはさむ 姉妹サイトリンク 開く
 姉妹サイトリンク 開く


