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真紅の花嫁
第16章 仄白い指


唐突に唇を塞がれた。

「んっ」

唇と唇がこすれ合い、息もできない。
逃れようとする身体を、ぎゅっと抱きしめられた。

「ん、んんんっ」

叫ぼうとして開けた口の隙間から、舌が侵入してくる。
ろくな抵抗ができないうちに、舌を絡め取られ、むさぼられた。


(あんんっ)

下腹部がブルッと震える。


後頭部を押さえられ、首をひねれない。
真波の髪をくしゃくしゃにしつつ、亮は顔を右に左に揺らして、さらに濃厚なキスを展開する。


(だ、だめよ……こんなの)

怒りの感情はたちまち消え失せ、逞しい腕の中で力が抜けてゆく。
いつの間にか瞳を閉じて、少年のキスを甘受していた。

無視され続けてすでに十日。

熱い抱擁に息が荒くなり、放置されていた肉体が、一気に燃え上がりそうになる。



(こんなにも脆い女だったなんて)

高校生に手もなく翻弄されてしまう自分が情けなかった。




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