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真紅の花嫁
第16章 仄白い指


舌先が歯列をなぞり、口内を這いまわる。

舌と舌を絡め合う快感に陶然とし、秘部が甘く痺れる。
流し込まれた唾液を、こくりと飲み干すと、暖かいものが喉元を降りていった。


「なくなっちゃったね」

亮は唇を離すと、真波の細首を撫でた。

キスマークがあった場所だ。
少年につけられた赤い痕跡は、とっくに消えていた。


「……もうこういうことはやめにして」

「こういうことって?」

真正面から見つめられ、真波は眼を泳がせる。

「綾音さんを、ちょ、調教するとか……

    復讐とか……」

「真波さんにキスするのはいいんだ」

「そうじゃなくて……

 ねえ、桐原くんが言っていた復讐って、いったい何のこと?
    ――あ、やっ」

いきなり後ろ手につかまれ、上半身を実技用の木製台に押しつけられた。

頭をさげた格好が苦しくて、足を踏み鳴らす。



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