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真紅の花嫁
第16章 仄白い指

「ちょっと、だめだったら
……きゃっ」
ギャラリートークの時間が迫っているため、真波は着替えを済ませていた。
ふんわりとしたデザインのスカートを、腰の上までめくり上げられた。
「うわ、なにこれ」
わざとらしい声。
何を言いたいのかは明らかだ。
真波が身につけていたのはパンストではなく、太腿丈のストッキングだった。
セクシーなものではない。
ナチュラルカラーのセパレートタイプにしていたのは、ショーツを穿き替えやすくするためである。
それでも、
だからこそ、
それを露わにされると、身がすくむほど恥ずかしい。
ショーツの上からお尻の丸みを撫でられる。
「やめて、こんなところで
……誰か来たらどうするの?」
いくら使用予定がないとはいえ、鍵などない大部屋だ。
いつ誰が入ってきてもおかしくない。
けれど、その物言いは行為そのものを拒絶してはいない。
そのことに気づいて、真波は困惑する。
「そういうスリルが、たまんないんでしょ」
ふたつの丘をすりすりと撫でまわし、少年は、くくく、と笑った。
 

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