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真紅の花嫁
第16章 仄白い指
(なんだか、無理に笑っているみたい)
何度も耳にした含み笑いなのに、どこか違った。
どう違うのか考える前に、指がクロッチに届く。
(あんんっ)
後ろからさわっと撫でられ、腰がひくんと跳ねた。
「真波さん、もう濡れてる」
また嬲られるのかと思い、そんなことないっ、と叫ぼうとした。
そうではなかった。少年は自らに言い聞かせるように呟く。
「好きだよ、真波さん。
ねえ、ぼくのものになってくれる?」
顔が熱を持ち、心臓の鼓動が早くなる。
それをごまかすため、早口で言った。
「写真を見たわ。
綾乃さんとあなたにそっくりの少年が並んだ写真。
あの少年って、門倉志郎の息子の将人くんなんでしょう?」