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真紅の花嫁
第16章 仄白い指
あせる気持ちを抑え込んで、解説を続ける。
「この作品は第五回アンデパンダン展で入賞したものです。
アンデパンダンとは無所属、独立という意味で、自由出品の作品だけで構成された美術展です。
無名の芸術家のために十九世紀末のパリで開催されたのが最初で、その後、世界中にひろまりました。
日本でも一九四〇年代末から催されています」
澄ました顔で淀みなく言葉を繋ぐが、胸の鼓動は鎮まってくれない。
なによりも、人前でノーパンでいるというだけで女体が火照り、秘裂がしっとりと濡れてくる事実に打ちのめされる。
(わたしったら――)
自分にこんな恥ずかしい性癖があったなんて、ショックだった。
いや、それ以上に真波を困惑させるのは、プラスチック製品の形状である。
お腹の中にきちんと収まってくれているのなら、まだいい。
下着の支えのない状態で、丸っこい物体はどうにも心もとなかった。
じわじわ沁み出る蜜液でヌルつけば、ふとした拍子に落下するのではないか。
その恐怖で生きた心地もしない。