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団地妻、桃香の青春とは……
第4章 蒼汰くん

桃香が壁際に移動すると、呆然とたたずむ蒼汰に、友美が声をかける。
姉が弟に指図するように、友美のセリフは命令形だ。

「蒼汰、ベッドに乗って、仰向けに寝なさい」

蒼汰が仰向けに横たわると、友美は両手を広げ、股を開いて、カマキリのように蒼汰の裸体にかぶさった。

友美が蒼汰の顔をじっと見下ろす。
友美の顔を、可愛いと、蒼汰は思った。

蒼汰を見つめる友美の眼差しは冷たくきつい。

桃香に睨まれて、きついと感じた時もあったけど、桃香のきつさの裏側には、優しい温かさがあった。でも、友美の眼差しは、素っ気なく冷たい。奥二重の瞳が、そう思わせているのだろうか。

小顔に鼻筋が通って黒目が光る。頬は白玉のようにつるつるだけど、美人とか、綺麗とかいう表現は、友美には似合わない。どんなに表情が冷たくても、可愛いと、蒼汰は思った。

「なにをジロジロ見てるんだよ。わたしの顔に、何かついてるか?」
「う、ううん……、と、友……」

「友美だよ」
「と、友美が……、可愛い」

「生意気、言ってんじゃないよ、高校生のガキのくせに。この前は私たちのレズを覗いてオナニーしたんだから、今日は仕返しだからね。覚悟しなさいよ」

「ええっ、覚悟って?」
「わたしが満足いくまで、何回だって射精させてやるんだよ。覚悟しな!」

友美はゆっくりと顔を落として、蒼汰の唇に唇を重ねた。
グチュグチュ、グチュグチュと、友美は唇をほふり続けた。


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