この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
団地妻、桃香の青春とは……
第5章 マッサージ店

疑心と猜疑をみなぎらせて目をむく友美に対して、桃香の瞳はにわかに輝きを増す。
医学的には信じがたいが、論理的には筋が通っている……ような気がする。
桃香が、目下の悩みについて問いかけた。
「先生、不感症も治せるのでしょうか?」
「もちろんです。クリトリスは先天的な性感帯ですが、膣内のGスポットは刺激を受けることによって、初めて快感を得られる後天的な性感帯なのです。なんですと? 不感症の原因がバイブの使い過ぎですと? ならば、膣内の皮膚が硬直して神経が麻痺しているに過ぎません。膣壁に筋肉を張り巡らせれば、Gスポットのみならず、クリトリスまでもが進化するのです」
桃香の瞳は、もはや新興宗教に洗脳された信者の輝きそのものだ。
「先生、どんな訓練をすればいいのでしょうか?」
完全にのめり込んだ様相の桃香を心配して、半信半疑の友美は腕をつついて牽制した。
「桃香さん、まゆつばだよ。騙されちゃダメだよ」
その様を目ざとく見取った先生は、毅然とした態度で釘を刺した。
「これより実習に入りますが、私の話が嘘でも大袈裟でもないという、歴然とした証拠をその場でお見せしますので、秘密会員として、鍛錬を継続されるかどうかを、真剣に検討してください。決して、生半可な決断をされませんように。それでは、隣の部屋へ移動してください」

