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団地妻、桃香の青春とは……
第5章 マッサージ店

桃香のベッドには先生が、友美のベッドにはセラピストの女性が配された。
「これから指をお二人の膣内に挿入しますが、ホワイトボードのイラストを思い浮かべて下さい。膣内の拡大図に、赤印で7か所のポイントが記されておりましたが、そこが壺です。その壺に筋肉を作る準備をするのです。その壺を鍛錬するまでに3か月、筋肉の下地ができてようやく“夢念棒”を使用するのです」
先生は講義を続けながら、中指にたっぷりのクリームを塗りつけている。
二人は神妙な面持ちで耳を傾けていた。
「夢念棒には繊細な模様が彫り込まれています。下地ができた筋肉に、その模様を記憶させるのです。記憶させた筋肉を、自在に締めつけ、操れるように鍛錬を積むのです」
「ほんとにそんな事、できるんですか?」
友美の質問はあっさり無視されて、先生の講義は続いた。
「これから私が指を挿入しますから、壺の位置をしっかりと覚えて下さい。壺の位置を正確に記憶するのに1週間を要するのです。それ以後は、自宅での訓練になります。午前中に2時間、午後3時間、および、骨盤底筋と内転筋を鍛える動作と膣内の皮膚細胞を活性化する訓練は、台所に立っている時でも、掃除中でも洗濯中でもできます。毎日継続することが鍛錬の基本です。その経過を確認し、修正をするために、週に1度だけ通院していただきます」
「この棒は、いつから使うんですか?」
「訓練を始めて3か月後、下地ができた筋肉に夢念棒で模様を記憶させるのですが、それ以後の訓練には、粘土棒を併用します。筋肉を自在に操れる訓練に必要なのです。皆様が鍛錬を積まれたあかつきに、技法を修得できたかどうかの判定は、祖父のマラをもって行われます」
「祖父の……マラ?」
こうして鍛錬は始まった。
桃香は夫の真司が帰国する半年先までに、不感症を完治させるために。そして今の青春のときめきを煌めかせ、蒼汰少年との愛と快楽を謳歌するために。
そして友美は、夫の健介とのセックスを取り戻すために。
それぞれの試練が始まったのだ。

