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団地妻、桃香の青春とは……
第6章 桃香の青春
マッサージ店の定休日は火曜日だったので、桃香は友美と一緒に特訓を受けるために、日曜日も休まず3階の研修室を訪れた。
日曜日の朝は、蒼汰が向かいの窓から覗いているに違いないと思うから、特訓を休みたかったのだけど、1週間だけだと先生は言ったので、仕方なく諦めてやって来たのだ。
特訓は厳しく辛かった。
先生の指が膣内に挿入されて、ここが壺だよと示されるのだが、同じ場所をなぞって自分の指をあてようとしても、バイブで荒らされた皮膚が麻痺して感じない。
友美は時々喘ぎ声をあげている。壺をまさぐる先生の指先が、性感帯に触れて感じるのだろう。順調に修得が早そうに思えて嫉妬する。
桃香が辛さに耐えて特訓に励めるのは、先週の日曜日の記憶が焼き付いているからかもしれない。
蒼汰とセックスをしている最中に、友美が寝室に突然飛び込んで来て、友美に蒼汰を譲ったら、二人は若い獣のように交合を楽しみ悶え合っていた。
あれ以来、桃香の脳裏にその情景がまざまざと、いく度も繰り返して投影される。
友美を恨んだり、妬んだりしているのではない。
己のふがいなさを、さげすんでいるのだ。
しかしなぜ、こんな感情が湧き上がるのか?
不感症だからという理由だけではない。
自分の腑抜けなお人好しのせいで、友美に蒼汰を奪われてしまいそうだ。
トラウマといえるほどの事件ではないが、それは高校時代の切ない記憶のせいだった。