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団地妻、桃香の青春とは……
第6章 桃香の青春

桃香が高等学校に入学してすぐに、クラスの友人に誘われて書道部に入部した。

その友人とはとても親しくなって、書道の展覧会やプライベートの食事会やキャンプなども楽しんだ。

そうして3学年の新学期を迎えたころ、1年生の少年が書道部に入部してきた。

その少年は、とりたててイケメンとはいえなかったが瞳が爽やかで、おっとりと静かなたたずまいだった。

2学年も年下の少年に、桃香の心が惹き付けられた。

桃香は少年にちょっかいを出したいと思ったが、気持ちが高ぶると、余計に言葉が出ない。
今思えば、初恋だったのかもしれない。


少年への想いを友人に告げると、3人でキャンプに行こうと策略を練ってくれた。
友人は就職希望だったけど、桃香は進学を目指していたので、青春を謳歌できるのは、夏休みがラストチャンスだった。

夏休みに入るとすぐに、計画を実行に移した。

友人が少年を誘ってくれて、3人で山のキャンプ場へと出かけた。
山歩きをして、テントを張って、夕日が沈む前に火を起こしてバーベキューを始めた。

焼き肉を頬張りながら友人は、缶酎ハイのプルトップを開いて少年に差し出した。

ジュースと勘違いした少年は、一気に酎ハイを喉に流し込んで咳き込んだ。
ゴホゴホと咳き込む少年の目の前で、友人も缶酎ハイを飲み干した。
友人に促されて桃香も飲んだ。

先輩とはいえ女性を前にして、男が酎ハイくらいでたじろぐわけにはいかないと、少年はガブガブと飲み続けた。

3人は酔っぱらってテントに入り、川の字に横たわって眠りに落ちた。


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