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団地妻、桃香の青春とは……
第6章 桃香の青春

蒼汰のメールを見て、もう夏は終わったのかと、しみじみ思った。

そもそも窓を開け放っていたのは、爽やかな風を通す為だったのだから、その必要もなくなった。

夏が終わり、日曜日の朝のアバンチュールも終わったけれど、私の青春はこれから始まるのだと、自分に言い聞かせた。

桃香はしばらく躊躇してメールを返した。

「祭日に塾が休みなら、蒼汰くんに会えれば嬉しいな。でも、勉強の邪魔になっちゃうかもね……」

蒼汰からの返信は速攻だった。
「僕も会いたいです! 次の祭日なら、勉強も一段落して、朝から自由になります」

桃香は嬉しくなって舞い上がる。
浮かれ気分に弾みがついて、かねてから妄想していた計画を告げてみた。

「もしも勉強の気晴らしになるなら、レンタカーでも借りて、どこか遠くへドライブしようか? しばらく蒼汰くんと会えなくなってしまうから」

「はーい、ドライブしたいです」

「決定! 行く先はそれまでに考えとくね。大好きな蒼汰くんと二人っきりでドライブ、楽しみだなー」

メールの文面を考えながら、桃香の心は10代の乙女になっていた。
私はしおらしい女学生……、大好きな蒼汰少年は私のもの……。


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