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団地妻、桃香の青春とは……
第6章 桃香の青春

車は葉山から逗子海岸を抜けて、江の島へと向かう。

相模湾の静かな海を眺めながらゆっくりと車を走らせて、江の島に到着したのは正午過ぎだった。

駐車場に車を停めて、まず腹ごしらえをすることにした。
せっかく江の島まで来たのだから、名物のしらす丼を食べることにした。

どの店もしらすと海鮮が名物なのか、お客もみんな、生しらすや鮮魚の料理を美味そうに頬張っている。


食事を済ませると桃香は蒼汰と手をつなぎ、展望灯台へと向かった。
祝日ということもあり、仲見世通りは家族連れや若いカップルでいっぱいだった。

私たちは、はたから見ると、どのように思われるのだろうか。

姉と弟だろうか?
いや、姉弟が手をつないで歩かないだろう。

じゃあ、恋人同士に見えるかな? 
ひと回り以上も年が離れて、恋人同士はないだろう。

じゃあ、何よ? 
女教師と男子生徒? 義母と息子? 出会い系サイトで知り合ったおばさんと高校生? 汚れた交際ってこと?

どう思われても構わない!
桃香はきっぱりと雑念を切り捨てた。

高校生の蒼汰がいて、私は淫らな先輩女学生。
失われた青春の幻影を、光陰をなぞって塗り替えるだけだから。


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