この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
団地妻、桃香の青春とは……
第9章 合格祝い

蒼汰への返信をあれこれ考えたけど、大人の女の寛大さを見せるのが得策だと我慢して、心にもないメールを返した。
「いいわよ、ヤッても。若者同士だもんね」
「冗談だよ。ヤレるわけないでしょ、従妹なんだから」
「ほんとに冗談かなあ?」
「従妹も春休みだから、叔父さんの家族がそろって海外旅行に行くんだよ。飼ってる犬の世話を、僕が頼まれたんだよ。ゴールデンレトリバーっていう大型犬だけど、家の中で飼ってるんだよ」
桃香は納得して気が晴れる。
「そっか、ワンちゃんと一緒にお留守番か。じゃあ1週間後、約束のプレゼントを用意して、蒼汰くんからの連絡を待ってるわ」
「うん、プレゼント楽しみだな。帰ったらすぐにメールするよ」
テレフォンセックスからの1か月間は長かったと思う。
だけど、この1週間はもっと長く感じる。
悶々としながらいたたまれずに、電話をしようか、メールを入れようかと、スマホを握りしめて悩むけど、いかにもせっついているんじゃないかという気持ちを、18歳の蒼汰に勘ぐられるのが恥ずかしいから、時間の流れに任せて堪えるしかない。
桃香はオナニーをする気にもなれずに、プラトニックな乙女心で待ちわびた。
蒼汰からメールが届いたのは、それから1週間後だった。
「桃香さん、明日の朝、行ってもいいですか?」
待ちかねていた蒼汰からのメールに、保留していた未送信の文面を即刻送信した。
「待ってるわ! シャンパンでお祝いしましょ!」

