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団地妻、桃香の青春とは……
第9章 合格祝い

桃香の合わせ技に耐えきれず、蒼汰の爆射は子宮を痺れさせ、最後の一滴までを絞り出した。
「あ・あ・あ・あ・あーーーー」
蒼汰も、桃香も、全てを吐き出して息絶えた。
終わった。これで終わった。
青春の幕が閉じられたのだ。
線香花火が燃え尽きるように、青春の残り火がポトリと落ちた。
「蒼汰くん、満足できた?」
「うん」
「蒼汰くん、お別れだね……」
「うん、桃香さん……」
「なあに、蒼汰くん?」
「う、ううん、なんでもないよ……」
蒼汰が何を言いたかったのか、分かるような気がして、問い返せなかった。
桃香はベッドから起き上がると、股間から恥毛を数本引き抜いて、お守り袋に入れて香水を振りかけ、封をして蒼汰の手に握らせた。
パンティを穿きランジェリーの下着を身に着けて、お別れのキスをして蒼汰を玄関から送り出した。
玄関のドアがガチャリと閉まった刹那、異次元世界から現実に瞬間移動したような、底なしの虚無感に心が揺らいだ。
ドアを開けてもう一度、蒼汰を抱きしめたいと欲して心が締め付けられた。
白日の幻想の中で、桃香はシンデレラになり切っていたのだ。
青春という絵柄のガラスの靴がパリンと割れて、王子さまは消えてしまった。
まやかしの青春がとぐろを巻いて、嘲るように笑っている。
桃香は貞淑な妻として、真司の帰国を待ち受けるだけ。

