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団地妻、桃香の青春とは……
第10章 真司の帰国

いつもの友美らしくもない恥じらいの素振りに、余程のたくらみでも練っているのかと桃香は勘ぐる。
「なあに? はっきり言いなさいよ、友ちゃん。真司に何かして欲しいことでもあるの? いいわよ、何でもさせてあげるから」
「そんなんじゃなくて、これ……、日曜日の朝にでもさあ、真司さんに飲ませてもらえるかなあ?」
友美が差し出したのは、セールスマンからもらった必殺の媚薬だった。
「うふふ、友ちゃんたら、ヤル気満々ね。この日のために大事にしまっておいたのね。いいわよ、任しといて」
友美の顔がほんのりと火照っている。
桃香の夫を寝取るという、不徳の喜悦に欲情を高めて恥じらっている証拠だ。
ちょっと妬けるけど、お互いさまだから、まあいいかと桃香は自分に了解させる。
「じゃあ、日曜日の昼食をみんなで一緒にしようよ。スパゲッティを作って待ってるわよ。真司が食べるミートソースに、この媚薬を振りかけておくわよ。媚薬の効果は絶大だから、友ちゃん、しっかり頑張ってちょうだいね、ふふふ」
「う、うん、頑張る……うふ」
不敵な笑みを浮かべる友美の脳内では、すでに真司との激烈な格闘が渦巻いているようだ。

