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団地妻、桃香の青春とは……
第10章 真司の帰国

桃香は夕食時、風呂上がりの真司のコップにビールを注ぎながら、友美との約束について切り出した。

「あのね、ちょっとお願いがあるんだけど、聞いてくれるかな……」
「うん、なに?」

「単刀直入に言うよ。ちょっと訳があってさあ、今度の日曜日にね……、向かいの友ちゃんとセックスして欲しいのよ」

突拍子もない桃香の要求に、何か良からぬ魂胆でもあるのではないかと、真司は疑心暗鬼に身構えた。

思い当たる事と言えば、前回の海外派遣の数日前に、友美とのセックスの現場を桃香に見られてしまった。その一件を、制裁してやろうと何かをたくらんだのか。

心の動揺をひた隠して、用心深く真司は問いかけた。

「どういうことだよ? マジで言ってるのか? オレをからかってるのか? そんなこと、できる訳ないだろ?」

「だからね、話を聞いてよ……」

真司は警戒心を持って、じっくりと桃香の話に耳を傾けた。
話を聞いているうち、桃香が健介と交わったという流れになった時、真司は顔色を変えて頬をこわばらせた。

「お前が健介を誘ったのか? セックスしてくれって頼んだのか? もしかして、ヤッてる最中を友美に見つけられたってことか?」

「違うわよ。友ちゃんの許可を得て、実験台として借りただけだわ。だって、友ちゃんとレズっているところに健介くんが飛び込んできて、私に抱きついてきたんだもの。だから丁度いいと思ってさ、秘技の効果を確認したかったんだもの」

「秘技の確認って……、そんなこと、友美が許してくれたのか?」

「だからさ、友ちゃんが秘技を修得した際には、あなたを実験台に貸してあげるからって、交換条件付きで了解してくれたのよ」

「ふーん、そういうことか……。じゃあ、オレとしては、イヤとは言えないってことだよな……」

「あら、イヤなの?」

「あ、いや、だから……」

狼狽える真司のコップに、桃香はビールを泡立てて注いでやる。


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