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団地妻、桃香の青春とは……
第1章 愛のセールスマン

布団の上から畳の上を、男に抱かれて何回転しただろうか。
転がるたびに、朦朧とした脳細胞に火花が飛んで電撃が走る。

桃香はただ、男に抱きしめられて胸を合わせ、ヤモリのようにしがみついているだけだ。
不感症だと諦めていた性感帯が反応し、信じられない思いで愉悦の疼きに酔いしれている。

視界に入るのはグルグルと、天井と畳が目まぐるしく入れ替わるだけ。
これまで感じたことのないほど淫靡で官能的な痺れに、意識を失いそうになる。

身体が回転して天井が揺らぐ。
壁が傾いで畳が撥ねる。
異空間の中で身体が転がり舞っている。
止めようもない喘ぎ声がほとばしり出る。

「ああ、ううーー、あああーーん」

転がりながら桃香は、淫靡な夢の中で悶えている。
こらえきれずに喘ぎ声が、桃香の喉からほとばしり出た。

「あうん、ああーーーーん、ううう」

桃香の肌が、男の肉竿になじんで溶けていく。
太ももの筋が浮き出し、男の下腹を締めつける。
喘ぎ声が甲高い悲鳴となって、窓ガラスを揺さぶる。

「あううううーーーん、ああーーー、あああーーーん」

男の腰がピクピク震える。

「ううう……、くくく」
男が呻き声をあげる。


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