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団地妻、桃香の青春とは……
第1章 愛のセールスマン

団地の構造は騒音防止を考慮して、隣家との遮音性は高いけれど、上の階からの音声や、床を駆けまわる振動や騒音までは防ぎきれない。

桃香の下の階に住む田辺夫人は、天井を見上げてぼやいていた。

「今日はまた、随分と激しいわねえ。桃香の旦那は自衛隊員で、海外へ派遣されて戻って来るのは半年先だって言ってたわよねえ。亭主の留守をいいことに、どこかで男でもくわえ込んできたのかしら」

甲高い喘ぎ声に、床を転げ回る振動が拍車をかける。

「それにしても朝っぱらから、随分と激しく格闘してるわねえ。いったいどんな男と、どんな格好でヤッてるのかしらねえ……」

私だってヤリたいわよと、田辺夫人は溜め息をつく。

50歳を過ぎてから、夫はまるで精力が尽き果てたようで、月に1回でもセックスをしようという気迫がない。
たまに抱かれてみれば中折れするし、射精もせずに中途半端に終わってしまう。

若い男とは縁が切れたと観念しても、女の性が燃え尽きるにはまだ早いだろう。
満たされない性欲を我慢するあまり、食欲がつのって全身に脂肪がついて、養豚場の豚みたいに太ってしまった。

桃香や友美のような美貌や可憐さまでは望まないが、せめて弾ける若さが羨ましい。
いまさら青春なんて望まないけど、それなりのセックスは楽しんでみたい。

天井を見上げながらよだれを垂らし、シャツの裾から手を入れて、ブラジャーの上から乳房をまさぐる。


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