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団地妻、桃香の青春とは……
第2章 桃香と友美

大広間では5組の食卓が整えられて、すでに其々のテーブルで食事が始まっていた。
宿泊客は中高年の夫婦連ればかりだった。
若い女の二人連れが珍しいのか、食事をしながらチラ見している。
「さっき、露天風呂で勃起してたおっさんが、こっち見てるよ」
友美のボヤキを桃香が諫める。
「ほっときなさいよ。それより、ほら、馬刺しだよ。おいしそう」
「ほんとだ、馬力が出ちゃうね。そういえば田辺夫人ってさあ、プロレスやってたんだって、桃香さん、知ってた?」
「知らない。確かに体格はいいけど、ほとんど脂肪太りだわよ」
「だからいつも負け役でね、イヤになって、池袋のホステスの用心棒になったらしいよ」
「ホステスの用心棒って、何するの?」
「ホステスやりながらさあ、タチの悪い客を追い返したりするらしいよ。それでね、勤めてたキャバクラの常連客にからまれて、決着つけようってことになったんだって。田辺夫人も男好きだから、挑まれるままラブホにしけこんでね、本気になって寝技に持ち込んだら、お客さんの恥骨とチンポをへし折ったらしいよ」
「やだー、マジで話してる?」
「マジだよ! ホステスを首になってさ、今の旦那に拾われたらしいよ」
「ふーん、旦那さんも、大変な拾い物をしたものね」
「粗チンで早漏で役立たずだって、田辺夫人がグチってたよ」
桃香がすっぱり話題を変える。
「山菜の天ぷら、美味しいわよ。フキノトウに、たらの芽かなあ。ほら、こっちの水煮も。さすがに山奥の温泉宿ね」

