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団地妻、桃香の青春とは……
第2章 桃香と友美

友美とのセックスで溢れ出た夫の精液を見て、桃香はふがいない自分を惨めに思った。
不感症という負い目があるから、一概に夫と友美の不倫を責められなかった。
それにしても、夫の激しさと友美の喘ぎに嫉妬が走った。
だから、何とかしなければならないという悲愴感が、コンドームのセールスマンの情報に飛びつかせたのだ。
厳しい試練に耐えて、膣内の筋肉を鍛錬すれば、男性を歓喜させる技法を修得できるとセールスマンは豪語していた。
何よりも、不感症だって治癒できると断言してくれた。
そのマッサージ店は五反田にあると教えられ、一人では不安なので友美も誘って秘密会員になったのだ。
このままの身体で呆然と、なす術もなく夫の帰りを待っているだけでは、夫婦の喜びが失われてしまう。
夫の真司の為に、頑張ってみようと決意したのだ。
だけど……、本音の本心は、それだけじゃなかった。
運命の神様は、いつだってイタズラ好きだ。
鯉が群れて戯れる池の水面に、銀の斧が放り込まれてよく見ると、青春という文字が刻まれていた。
平和で穏やかだった池の水面がざわついて、失われた青春を取り戻そうと心が乱れる。
色褪せた青春を彩るために、不感症を完治することが必定だったのだ。

