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団地妻、桃香の青春とは……
第4章 蒼汰くん

少年の緊張をほぐすように、桃香は優しく微笑みかける。
「うふふ、そんなに緊張しなくてもいいわよ。他に誰もいないんだから」
「えっ、あの……」
不安そうな表情の少年に、誰もいない理由を明かしてあげる。
「旦那は自衛隊員でね、海外派遣で半年先まで帰って来ないのよ。子供はいないから、私ひとりきりなのよ」
「へえ、そうなんですか」
「蒼汰くんは、高校生なんでしょう?」
「はい、来年、大学受験です」
「そっか、受験生なんだ。受験勉強、大変だね」
「はい」
「はいどうぞ、紅茶だよ」
桃香は紅茶のコップをテーブルに置くと、テーブルの角を挟んで、蒼汰と肩が触れるぐらいの斜め横に腰を下ろした。
「砂糖、入れてあげるわね」
「ありがとうございます」
「うふ、そんなに硬くならなくても、リラックスしてちょうだいな」
「はい」
「ねえ、蒼汰くん」
「はい」
「私のこと、おばさんだと思う?」
「おばさんだなんて、思いません……」
「じゃあ、お姉さん?」
「はい」
「はい、じゃなくて、うん、でいいのよ」
「はい。あ、うん」
「ねえ、蒼汰くん、ちょっとだけ、エッチなお話、しようかなあ……」
桃香は蒼汰の瞳を見つめて、唇が触れそうなくらいに頬を寄せる。

