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RINZIN ー隣人ー
第6章 第五話
 「とりあえずシャワー浴びない? なんか俺だけめっちゃ汗かいてるし……」
 「うん♡ ねぇ私もいっしょに入っていーい?」
 「お、おう。そだな……あ、せっかくだからお湯張って芽生にもらった入浴剤使うか」
 「いいの? やったー♡」

 (ほんとコロコロ表情が変わるやっちゃ……)


 二人で入るには少々窮屈なバスタブ。涼太は芽生の下になり、その小さな背中を抱え込むようにして湯船に浸かる。この日の入浴剤はイエローの透明色。ほのかなカモミールの香りが二人にやすらぎをもたらしていた。

 「もぉー……涼くん! またおっぱいさわってるー」

 涼太は芽生の脇の下に腕をまわし、お湯にプカプカと浮かぶ乳房をずっと揉んでいる。

 「へへ、いいじゃん。このおっぱいはもう俺んだし」
 「……」
 「ん? どした……?」
 「……涼くんさ、どうせいつもそういうこと言ってるんでしょ」
 「え……?」
 「よくないよ。すぐ女の子に『俺の』とか言うの」
 「な、なんだよそれ……大体なんで俺がいつもそうだってお前にわかるんだよ」
 「ふふ♡ じょうだんだよー。いちいちかわいいなぁ涼くんは」

 (なんだよ……ガキのくせに)
 
 一体ガキなのはどちらなのか、これは図星である。事実、涼太は交際において最初だけは積極的。もっというと、自分のモノになるまでは肉食的なアプローチを欠かさない。涼太のこういった強引さは、とくに押しに弱い女性にとってアグレッシブな魅力として映ってしまうことも少なくない。しかしあくまでそれは最初だけなのだ。
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