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RINZIN ー隣人ー
第7章 第六話
最寄り駅までは徒歩二十五分とすこし距離がある。芽生はその道のりを歩き、電車に乗った。二つの路線を乗り継いでとある駅で下車する。ここまでの所要時間は四十分少々。
芽生はそこからさらに徒歩でどこかへ向かって行く。
(なんか……ちょっと寒気がする。風邪引いちゃったかな……最悪)
蒸し暑いはずの初夏の陽気の中、芽生は微熱による寒気を感じていた。
(しっかりしなきゃ。もうあと戻りはできない──)
五分ほど歩いて、芽生は一件のケーキ屋に立ち寄る。
「──いらっしゃいませ~」
「あのすみません……予約しておいた北野です」
「あ、はい~! ご用意できております。少々お待ちください」
ほどなくして店員がバックヤードからデコレーションケーキを持って現れた。
「お待たせしました! えーと確認します北野さま、苺チョコデコレーションの六号……お誕生日のおなまえは『コウキ』くん。それからロウソクは……十三本ですね。こちらでお間違いないでしょうか?」
「はい、まちがいないです……ありがとうございます」
芽生はケーキを受け取ると、ふたたび歩きはじめた。
そのまま歩くこと約十分──芽生はとある古い団地の敷地内へと入っていく。そして階段を三階まで昇ると、302号室の前までやってきた。
表札に書かれた「北野」の文字──そう、ここは芽生の「実家」だったのだ。
「ふぅ……」
芽生は小さく呼吸を整え、ドアの鍵を開けて家の中へと入った。
芽生はそこからさらに徒歩でどこかへ向かって行く。
(なんか……ちょっと寒気がする。風邪引いちゃったかな……最悪)
蒸し暑いはずの初夏の陽気の中、芽生は微熱による寒気を感じていた。
(しっかりしなきゃ。もうあと戻りはできない──)
五分ほど歩いて、芽生は一件のケーキ屋に立ち寄る。
「──いらっしゃいませ~」
「あのすみません……予約しておいた北野です」
「あ、はい~! ご用意できております。少々お待ちください」
ほどなくして店員がバックヤードからデコレーションケーキを持って現れた。
「お待たせしました! えーと確認します北野さま、苺チョコデコレーションの六号……お誕生日のおなまえは『コウキ』くん。それからロウソクは……十三本ですね。こちらでお間違いないでしょうか?」
「はい、まちがいないです……ありがとうございます」
芽生はケーキを受け取ると、ふたたび歩きはじめた。
そのまま歩くこと約十分──芽生はとある古い団地の敷地内へと入っていく。そして階段を三階まで昇ると、302号室の前までやってきた。
表札に書かれた「北野」の文字──そう、ここは芽生の「実家」だったのだ。
「ふぅ……」
芽生は小さく呼吸を整え、ドアの鍵を開けて家の中へと入った。