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RINZIN ー隣人ー
第7章 第六話
それから一時間ほどが経過した。芽生と航生がたのしく食卓を囲んでいると、そこへまたこの家の住人が一人帰宅してくる。
「──あーウゼー!! 千ハマりからの単発とかマジふざけんなっ! クソがっ!!」
帰ってくるなり大声でキレ散らかすその男は芽生の兄である和生かずき、二十二才。彼も同じく整った顔立ちをしているものの、金髪にピアスという出で立ちでかなりチャラチャラとした印象である。
和生は成人しているというのに仕事もせず、パチンコなどギャンブルに明け暮れる生活をしているクズ男だった。この日もパチンコで大敗したのであろう、そのせいですこぶる機嫌が悪い。
和生が帰ってきたことで、それまでなごやかだった家の中の空気が一変する。芽生の顔からは一瞬にして笑顔が消え、航生もどこか怯えた様子になった。
「──おにいちゃん、きょうはコウの誕生日だからっ……あんま大きい声出さないで」
「はあ? 知るかそんなもん。とりあえずお前持ってる金全部俺によこせ。バイト代入ってんだろ!?」
「わかった……わかったから。あとで渡すから今は静かにっ──」
すると和生は芽生の手首を掴み、強い力でグイッと引っ張ろうとする。
「痛っ──、やめてっ……離してっ! おにいちゃんっ……」
「うっせえ黙れ。バイトまでまだ時間あんだろ? 行くぞ」
「……はい。すぐ行くから。だから離して」
芽生がそう言うと、和生はしぶしぶといった様子でとなりの和室へと入っていく。
「──コウ、ごめんね。せっかくの誕生日までこんな感じになっちゃって……。怖かったらおねえちゃんのスマホで音楽聴いてていいから」
「ね、ねーちゃん……」
そして芽生も和生につづいて、和室へと入っていった。
「──あーウゼー!! 千ハマりからの単発とかマジふざけんなっ! クソがっ!!」
帰ってくるなり大声でキレ散らかすその男は芽生の兄である和生かずき、二十二才。彼も同じく整った顔立ちをしているものの、金髪にピアスという出で立ちでかなりチャラチャラとした印象である。
和生は成人しているというのに仕事もせず、パチンコなどギャンブルに明け暮れる生活をしているクズ男だった。この日もパチンコで大敗したのであろう、そのせいですこぶる機嫌が悪い。
和生が帰ってきたことで、それまでなごやかだった家の中の空気が一変する。芽生の顔からは一瞬にして笑顔が消え、航生もどこか怯えた様子になった。
「──おにいちゃん、きょうはコウの誕生日だからっ……あんま大きい声出さないで」
「はあ? 知るかそんなもん。とりあえずお前持ってる金全部俺によこせ。バイト代入ってんだろ!?」
「わかった……わかったから。あとで渡すから今は静かにっ──」
すると和生は芽生の手首を掴み、強い力でグイッと引っ張ろうとする。
「痛っ──、やめてっ……離してっ! おにいちゃんっ……」
「うっせえ黙れ。バイトまでまだ時間あんだろ? 行くぞ」
「……はい。すぐ行くから。だから離して」
芽生がそう言うと、和生はしぶしぶといった様子でとなりの和室へと入っていく。
「──コウ、ごめんね。せっかくの誕生日までこんな感じになっちゃって……。怖かったらおねえちゃんのスマホで音楽聴いてていいから」
「ね、ねーちゃん……」
そして芽生も和生につづいて、和室へと入っていった。