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RINZIN ー隣人ー
第7章 第六話
 芽生は和生の下で、ただただ時間が過ぎるのを待った。血をわけた兄にこうして犯されるのは、もうゆうに何百回を超えている。当然慣れはあるし、身体も反応する。気持ちいいか良くないかでいえば、感じることだってできる。

 しかし、芽生は自分の中で頑なにそれを拒んでいた。あえいでしまいそうになるのを、必死に歯を食いしばってこらえている。いっそそうしたほうが楽だとわかっていても──。

 次第に和生の腰つきがより乱暴になる。この狭い家じゅうに響きわたる「パンッ! パンッ!」という猥雑な音。それは血のつながった兄妹の肌と肌とがぶつかる音、粘膜がこすれ合う音だった。

 「おあああああっ! イクッ! ほらイクぞっ!? 芽生っ!! 膣内《なか》に出すぞっ!! ウッ──」

 兄から妹へ注がれる精液《ザーメン》──それは理《ことわり》に反した生殖行為であった。

 (終わった……)

 終わってしまえばあっけないものだ。和生はあっさり肉棒を引き抜くと、ドロドロに汚れたソレを芽生のパンティで拭った。

 「──ふぅ……。そういや航生、さっきからお前なに見てんだ?」

 (え……?)

 和生のその言葉に、芽生は部屋の入口のほうへ目をやる──すると、少し開けたふすまの隙間から航生がこちらを見ていた。

 「……コ、コウっ! 見ちゃダメ! あっち行ってなさいっ……」

 普段は絶対に行為中を覗くことなどしない航生が、股間を両手で押さえ、あきらかにムズムズとした様子でそこに立っている。

 「へへへっ。なんだ航生、おめぇもヤリてぇのか?」
 「お兄ちゃんっ! なに言ってるのっ!?」
 「あ? いいじゃんヤラしてやりゃあ。航生ももう中坊だし。誕生日プレゼントだな! おい航生、こっち来いよ」
 「だ、ダメっ!! コウ──」

 芽生の静止もむなしく、おそるおそる航生が寝室に入ってくる。
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