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RINZIN ー隣人ー
第8章 第七話
 (俺……もうこのまま死んでもいいかも──)
 

 「──へへ♡ きもちよかった?」
 「うん……」
 「ちょっと休憩する……?」
 「そだな……さすがにちんこヒリヒリするわ……」
 「ねぇ涼くん」
 「ん……?」
 「私もすきだよ、涼くんのこと」
 「え……?」
 「へへ♡ ほら~、もう今はどうでもよくなっちゃったでしょ? そんなこと」
 「ちがっ……う。そういうわけじゃ……ねぇけどさ……」
 「だからよくないって。そういうトコだよ。もぉー」

 (なんだよそれ……べつに俺はっ……クソッ。なんかムカつくな……)

 涼太の浅はかさをまるですべて見透かしているような芽生の言動。その真意は定かではないが、涼太はこれまで抱いたことのない感情を覚えていた。


 その後、ベッドの中で寄り添う二人。芽生は涼太の厚い胸板が気に入っているのか、そこを絶えずさすっている。

 「──そういやさ、泊まってけなんて言っちゃったけど……あしたはなんか予定あんの?」
 「あ、うん……お昼くらいまでに帰ればだいじょうぶかな」
 「ふーん。なんだよ、もしかしてどっかの男とデートとか?」
 「ち、ちがうよぉ……えっと……し、仕事」
 「あ、そうなん? そっか土日休みじゃないのか。てか仕事なにしてんの?」
 「うんと……サービス業、かな。わ、私バイトしてるのっ。いろいろ掛け持ちで……」
 「マジか。そりゃ大変だな……おまけに一人暮らしだと金かかるし」
 「そ、そだね……涼くんはどんなお仕事してるの? はじめて会ったときスーツ着てたよね! かっこよかった♡」
 「俺? 俺はただの営業リーマンっすわ。適当なこと言って物売ってるよん」
 「へぇ~なんかすごいね。私……バカだからさ。だからしっかりしてる人見るとなんかすごいな、って思っちゃう……」
 「なんだよそれ(笑)多分俺のほうがバカだぞ。野球ばっかやってたしな」
 
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