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RINZIN ー隣人ー
第10章 第九話
 「でもなんとか無事に引越しが済んでよかったなあ。いろいろ大変だったけど……住み心地はどう? って言ってもまだ物とかなんにもないか」
 「う、うん……すごくキレイだしお部屋も広くて……本当にありがとうございます」
 「そっか……いいよいいよ。これからはアパートで会えるし、僕にとっても都合がいいから一石二鳥ってことで」

 芽生が現在暮らすアパートを手配したのはほかでもなくこの男、飯島である。パパ活で知り合った芽生が実家を出たがっていることを知り、未成年である芽生に代わって自身の名義であのアパートを契約したのだ。

 既婚者である飯島はこのことが家庭にバレないようにするため、知人の不動産会社を介してあの部屋を契約。要するに、愛人を住まわせるために都合のいい物件を紹介してくれ、と正直に知人に頼んだというわけだ。

 万が一なにかが起きたときのことを考え、契約者である飯島と実際に住む者(芽生)が異なることは不動産会社と大家にもはじめから了承を得ておきたい──そうなると、それら諸々の事情をクリアして審査が通る手ごろな物件があのエステート池川だった、というのが事の真相である。

 ほかにも候補として立地やセキュリティが充実したグレードの高いマンションもあるにはあったのだが、それは芽生の意向で断っている。芽生は他人の金でいい部屋に住みたかったわけではなく、ひとまず家を出ることが目的だったからだ。

 「しかし愛人を囲うのにアパートっていうのもなんだかなあ。カッコがつかないよ。でも仕方ないね。そうそう、鍵失くしたって連絡きたときはヒヤヒヤしたよ~」
 「それについてはほんと……ごめんなさい。以後気をつけます……はぁ」
 「まぁそういうちょっとドジなとこもカワイイけどさっ」

 部屋の鍵を失くした際、管理会社の対応がスムーズにいったのは芽生があの部屋に住むという話をちゃんと通していたからである。したがって飯島の判断は正しかったといえよう。
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