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RINZIN ー隣人ー
第2章 第一話
いざ交際に発展すると、恋人に毎日連絡をするようなマメさなど彼は一切持ち合わせていないし、気持ちを言葉にして伝えることも、行動で示すこともほとんどしない。それでいて自分の思いどおりにならないと途端に不機嫌になるという子どもっぽさがある。なまじ見てくれがそう悪くないだけに寄ってくる女は居るものの、これでは続くものも続かない。
彼にとって女は性欲を解消するために存在しているようなもの──であるならばわざわざ交際関係を結ぶ必要はないように思うが、そこはただ単に「ていよくタダでセックスできる相手」がほしいだけである。
その実、金さえ続くならずっと風俗でいいとさえ思っていて、過去には毎日のようにソープ通いをしていたため危うく破産するところだった。現在は多少なりとも自制しているようだが、そんな背景もあってか収入の割に貯蓄はほぼないに等しい。将来設計などという言葉は、今のところ彼の辞書にはないのだ。
「──はぁ……疲れた。やっと一週間終わった。てかそろそろ残業だりぃわ……」
この日は金曜日。いつものように午後九時過ぎに帰宅した涼太は、アパートの駐車場に停めた車の中でため息をついた。涼太はエンジンを切り車を降りると、アパートの二階へ上がる階段を昇っていく。
すると──。
「えっ……?」
なにかを見て、おどろいた表情でその場に立ち尽くす涼太。
それもそのはず──涼太の部屋である203号室の扉に寄りかかるようにして、女が倒れているのだ。
そしてその女とは──先日越してきた隣人、北野である。
彼にとって女は性欲を解消するために存在しているようなもの──であるならばわざわざ交際関係を結ぶ必要はないように思うが、そこはただ単に「ていよくタダでセックスできる相手」がほしいだけである。
その実、金さえ続くならずっと風俗でいいとさえ思っていて、過去には毎日のようにソープ通いをしていたため危うく破産するところだった。現在は多少なりとも自制しているようだが、そんな背景もあってか収入の割に貯蓄はほぼないに等しい。将来設計などという言葉は、今のところ彼の辞書にはないのだ。
「──はぁ……疲れた。やっと一週間終わった。てかそろそろ残業だりぃわ……」
この日は金曜日。いつものように午後九時過ぎに帰宅した涼太は、アパートの駐車場に停めた車の中でため息をついた。涼太はエンジンを切り車を降りると、アパートの二階へ上がる階段を昇っていく。
すると──。
「えっ……?」
なにかを見て、おどろいた表情でその場に立ち尽くす涼太。
それもそのはず──涼太の部屋である203号室の扉に寄りかかるようにして、女が倒れているのだ。
そしてその女とは──先日越してきた隣人、北野である。