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RINZIN ー隣人ー
第11章 第十話

すると涼太は壁から距離を取り、イヤホンを装着する。もうこれ以上、隣人の立てるその騒音に到底聞き耳を立てる気になどなれない。
そして涼太はふてくされたようにベッドに転がった。
(あーうぜー。もうどうでもいい。クソビッチが……お前のことなんかもう知らねぇ)
それから約二時間が経過し、時刻は午前0時過ぎ。
なかなか寝つけずにいた涼太はすでにイヤホンを外していたが、その耳に隣室からの音が聞こえてくることはなかった。おそらくもう情事は終わったのであろう。
芽生とあの男のことなど考えたくもないが、しかし考えずにもいられない、そして考え出すと止まらない──この二時間ずっと、涼太はそんなジレンマにさいなまれていた。
(クソッ……あした仕事だっていうのに……ちっとも眠れねぇ)
涼太は今、一体自分がなにに対してどんな感情を抱いているのかさえ正確に把握できていなかった。そもそも涼太がこんなふうに女絡みでやきもきさせられることなど過去にはない。というより、そういうことからずっと逃げ続けてきたのだから、わからなくて当然とも言える。
(あーイラつく。大体なんで俺がこんな気持ちになんなきゃいけねぇんだよ。あんな女のことなんか、べつにどうってこと──)
するとそのとき、スマホのメッセージアプリに通知が入る。
(ん……誰だ?)
まだおきてる?
今から行ってもいい?
そのメッセージは芽生からだった。
(は、はぁ?? しかも今からってなんだよ、ふざけんな)
こんなタイミングでの芽生からの連絡に困惑する涼太。ましてや「会いたい」などと言われても、今の涼太の心境からすれば当然気乗りはしない。
(あーもうこんなの無視無視。寝る!)
そうして一旦は無視を決め込むことにした涼太であったが──しかし、やはりどうしても芽生のことが気になってしまい、結局おめおめとメッセージに返信をしてしまうのだった。
起きてる
来いよ
そして涼太はふてくされたようにベッドに転がった。
(あーうぜー。もうどうでもいい。クソビッチが……お前のことなんかもう知らねぇ)
それから約二時間が経過し、時刻は午前0時過ぎ。
なかなか寝つけずにいた涼太はすでにイヤホンを外していたが、その耳に隣室からの音が聞こえてくることはなかった。おそらくもう情事は終わったのであろう。
芽生とあの男のことなど考えたくもないが、しかし考えずにもいられない、そして考え出すと止まらない──この二時間ずっと、涼太はそんなジレンマにさいなまれていた。
(クソッ……あした仕事だっていうのに……ちっとも眠れねぇ)
涼太は今、一体自分がなにに対してどんな感情を抱いているのかさえ正確に把握できていなかった。そもそも涼太がこんなふうに女絡みでやきもきさせられることなど過去にはない。というより、そういうことからずっと逃げ続けてきたのだから、わからなくて当然とも言える。
(あーイラつく。大体なんで俺がこんな気持ちになんなきゃいけねぇんだよ。あんな女のことなんか、べつにどうってこと──)
するとそのとき、スマホのメッセージアプリに通知が入る。
(ん……誰だ?)
まだおきてる?
今から行ってもいい?
そのメッセージは芽生からだった。
(は、はぁ?? しかも今からってなんだよ、ふざけんな)
こんなタイミングでの芽生からの連絡に困惑する涼太。ましてや「会いたい」などと言われても、今の涼太の心境からすれば当然気乗りはしない。
(あーもうこんなの無視無視。寝る!)
そうして一旦は無視を決め込むことにした涼太であったが──しかし、やはりどうしても芽生のことが気になってしまい、結局おめおめとメッセージに返信をしてしまうのだった。
起きてる
来いよ

