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第28章 ２日目・夜１　時間厳守

確か、この教師、前の学校で
生徒の母親と一緒にいるところを、
他の親が見てしまい、バレてしまったという噂だ。
どこで誰が見ているかわからない。
明らかな処分があったわけではない。
でもそんな男でも教師が続けられるのが不思議。

でも、そんなことは言えない。
綾子には、もっとしてはいけなかった過去がある。
まだ結婚する前、遠距離の彼氏がいたのに、
教え子と付き合ってしまっていた、、、。

もう過去のことだし、誰にも知られないままで
済んだけれど、、、。
まあ、今から遡って処分されることもないはずだ。
それでも、あのクラスの同窓会に呼ばれても、未だに出れずにいる。

「じゃあ、来年の夏にでもどうです？」
こういう時は、はっきりと断らないのがいい、
経験でそう学んでいる。
できるだけ笑顔で、、、。

にっこり微笑んで男性教師の手を振り払った。
触りたくもないけれど、
ちょっとしたボディタッチで、相手は満足するのだ。

まあ、こんなやりとり、いつものことだ。
あの男性教師だって、本当に期待しているわけでもないだろうし、
きっと他の女教師にも声をかけているに違いない。

「じゃあ、来年の夏、全部空けとくんで」
満足したように、またグヘヘへと言いながら
貸切の座敷に戻って行った。