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人妻教師の危険な情事 〜隣人青年に堕とされる夏〜
第6章 前夜4 お願い
「朗読?」
「ダメです?」
正直ちょっと拍子抜けした。
まったく想像していないことだった。

「それくらいならいいけど。
っていうか、そんなんでいいの?」
「他のお願いの方が良かったです?
綾子さんの声って
しっとりとしてるんだけど聴きやすくて。
女子アナ目指してたことあるんですよね?
夏音ちゃんに聞いたことある」

「もうあの子ったら、、昔のことよ。
今でも女子アナしてる先輩もいるけどね。
すっごい綺麗なの。立ち姿も美しい人よ。
地方局だけど人気で、番組持って司会もしてるらしいわ」
綾子の目が一瞬、遠い目になった。

「あたしは、ちょっと失敗しちゃって、なれなかったのよ。
それでこんなお堅い高校教師」
「似合ってますけどね」
「そおかな?」
「オレも、綾子さんみたいな先生の教わりたかったな」

高校教師となって地元に戻らなかったらなぁ
アタシの人生、どうなってたんだろう。
きっともっと別な人生になってたよね。

アタシ、遠距離恋愛に耐えられなくて、、、
あの人とも月に一回も会えなくて、、、
そんな時に、心の隙間を埋めてくれた彼、、、
だからって、あんなことに、、、
埋めてくれたのは心だけじゃなくて、、

綾子の記憶には、別な彼ができ、
あの人と別れたことが思い浮かんでいた。

、、別な彼、、しかも年下の、、しかも、、
、、綾子先生に教わってよかったです、僕、、
、、教え子だった彼、、勉強だけじゃなくて、、
、、いろいろ教えたんだった、、
、、かつてあの人に、アタシが教わったみたいに、、

、、ヒロシくん、なんか似てる、、

「もっと無理なこと言われるかと思っちゃった」
「無理なことって?」
「ううん、なんでもない」

綾子は、正直なところ年頃の男の子っぽい
性的な要求をしてくるのではないかと
ほんのり考えていた。

、、あの時の彼もそうだったし、
、、若い男の子って、頭の中、エッチなことばっか、
、、でも、昔のことよ、

キスをしたい、とか、抱きしめたい、とかね
それを言われたからといって、きっと断っただろうけれど。
いくらイケメンでもね。
だって今のアタシには夫も娘もいるんだから。

酔って少し体があったかくなっていたせいもあるかもしれない。
だから「朗読」と聞いて、安心した。

「オレ、綾子さんの声、好きなんですよ」

声が好きって言われると、やっぱり嬉しい。
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