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第32章 ２日目・夜５　後輩からのSOS

その彼女からの必死のSOS。
「ビーワンに、個室に連れてかれて、
さっきから口説かれてるんです」
「え？ビーワンに？」
ヒロシが何のことだろうと怪訝な顔を向けた。

ビーワンとは、二人だけの隠語で
あのバツイチ教師のことだ。
バツのB（ビー）に1のワン、
二人ではそれでビーワンと呼んでいる。

「そんなの振り切っちゃいなさよ」
「でも査定がどうこうとか言ってます」
そうだ、ビーワンは恭子先生の直接の上司になるのだ。
でもだからと言ってそのパワハラで
口説いてくるなんてのは許せない。

このまま戻って、
怒鳴り込みたい気持ちだったけれど、
それは無理だろう。
ビーワンは主任で、学校では立場が上だ。
そんなことして綾子自身まで
何をされるようになるのか、怖いところもあった。

それに、自分がここまでして、
ヒロシの部屋にいるのに、無駄になってしまう。
彼女の方でなんとかしてもらうしかない。

「元彼に電話して迎えに来てもらったら？」
「別れたばっかりなのに、もう別な彼女いるらしいから、、
それじゃ、恭子、ただの嫌な女になっちゃう、、」