パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第91章 3日目・午後13　女神の子守唄

絶望の底にいた春休み、
その男子が学校のマドンナと
呼ばれていた同学年の女子と
一緒に街を歩いているのをみた。



綾子が繋ぐはずだった手は
その女子と握られていた。
春の陽気に浮かれる二人の姿が
眩しすぎてた。


噂によると、
その学級委員の男子は、
そのマドンナとも、
大学に合格したら付き合うという
約束をしていたらしい。


同じように星をみあげながら、
囁いたのだろうか？
綾子は二股をかけられ、
無惨にも、選ばれなかったのだ。


その男子と会うのも一年半ぶりだった。
東京にいるのは知っていても、
連絡を取るつもりはなかった。
さっきも会釈したくらいで、
話すことはなかった。


その彼が、同級会の帰り道、
先に出ていた綾子に
自転車で追いかけてきて、
声をかけてきたのだ。


「元気だった？」
「、、、うん、、、」
「彼氏、できたんだって」
「聞こえてた？」
「ああ」


どこかよそよそしさが出てしまうのは、
お互いに拭えなかった。


「高校生ん時、思い出すな」
「そうね、、、
よく送ってもらってた、、、」
「乗る？」
「いいの？」
「どうして」
「だって、、、」