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第91章 3日目・午後13　女神の子守唄

、、、ちょっと、、、
何してるの、、、
やめてよ、、、


いきなりのことに
綾子も抵抗を試みたけれど、
口はキスをされ
塞がれたままで、
声は出せなかった。


さっきは頼もしいと思えていた
男子の力は、
今は、綾子を組み敷くことに
使われてした。


「綾子ちゃん、、、
ずっと好きだったんだよ」


階段の踊り場の角に
押し当てられて
逃げ場はなかった。


手で男子の体を叩き、
足をバタつかせても
無駄なくらいに力の差はあった。


「ねえ、
こんなの、、、だめだよ、、、」
「綾子ちゃんだって、
ボクのこと好きだったんだろ。
だったらいいじゃないか」


確かに大学に合格していたら
もしかしたら付き合うことに
なっていたかもしれない。


でも一年以上経って、
今は別々の人生を歩んでいるのだ。


「アタシには、
彼氏がいるの、、、
付き合ってるのよ、、、
だからこんなこと、
しちゃダメなんだったらぁ」


心のどこかで、
もしかしたらキスくらい
してもいいかと思っていた。
あの春、大学が不合格で
突然終わったあの淡い恋の
続きを、ちょっとくらい楽しみたかった。


でも、そんな心の隙が、
綾子を残酷な運命へと
導いてしまったのだ。