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人妻教師の危険な情事 〜隣人青年に堕とされる夏〜
第10章 1日目・昼3 気まずいランチ
「もぉ、綾子さんのために作ったんですよぉ。
はい、カンパ〜い」
綾子は、ようやくグラスを手にとって、
力なさげに、ヒロシのグラスに近づけた。
チーン、
素敵なワイングラスだった。
いい音がする。
ヒロシの父の選んだものだろう。

綾子は、注がれている白ワインをクイっとあおって一気に飲んだ。
アルコールでその気恥ずかしさも吹き飛ばせるかも。
キンキンに冷えていて美味しい。
さっぱりとした辛口で口当たりもいい。

「さすがの飲みっぷりですね。
今が食べごろです。さ、どうぞ」

そうよね、せっかく作ってくれたのだから、
まずは食べて落ち着こう。
でも言葉が出てこない。
ヒロシも何も言って来る気配はない。
ぜんぶ食べてから、
それからだ。

美味しい料理だった。
食欲なんかなかったはずなのに、
結局食べてしまった。
それに、お昼だというのに、一人で白ワインを半分以上、
飲んでしまったかもしれない。
酔わなければ、先に進めない。
ずっと押し黙っていた綾子が重い口を開いた。

「ねえ、、、
ずっと聞こえてたの?」
「ええ、ずっと。一年間」
「あたしの声が、、、」
「綾子さんだけじゃなくて、パパさんも」
「ぜんぶ?」
「はい。ぜ〜んぶ。
あ、でも春からは聞いてないですよ、
いなかったから」

どれだけのことを聞かれてしまったんだろう。
思い出しようにも、日常のことばかりで、
混然としてしまう。

最近は、ちょっとご無沙汰だけど
一年、いや、半年くらい前までは
それなりにセックスもしていた気がする。
そういうのも全部ってことだろう。

「あ、一昨日の夜は、聞こえちゃいました。
パパさんが、出張に行く前の夜」

あぁ、あの夜は、しばらく会えないからって、
綾子からせがんだのだ。
あれもね、、、

取り返しはつかないけれど、どうしようもなかった。
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