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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第4章 フェガリ
「僕は10歳で騎士団に入団して、14歳で貴族に昇格したエリートだからね。ちょうどその頃、シャムスとの敵対関係が緩和し始めた頃だったんだ。シャムスはどうかは知らないけど、フェガリ側はシャムスとの関係を改善しようとしていた。当時、サウラと歳が近い貴族は僕だけだったから、外交に連れて行かれたんだ。僕もサウラも当時は子供だけど、近い将来国を担う者だからね。ま、僕は可能性の話だけど。それでも期待されているのはひしひしと伝わっていたよ」
目を細めて懐かしそうに話すラウルだが、貴族になるまで血の滲むような努力をしてきたのだろう。聞いているだけで胸が締め付けられる。
「本当に壮絶な人生ね……」
「まぁね。けど、僕の人生が楽しくなるのは、この後から」
ラウルは楽しそうに言うが、本当にそうなのか疑問だった。以前オネストも言っていたが、ラウルは大人しそうな顔をしてとんでもないことを平然とやってのける。そんな超人の楽しいことは、本当に楽しいことなのだろうか?
「サウラからシャムスの話を改めて聞いて、考えが変わったんだ。この狂った国を変えることの方が、潰すよりも復讐になるんじゃないかってね。サウラはその悪巧みに乗ってくれたよ。それから僕達は、文通をする仲になったんだ」
「シャムスを変えるって、あなたが言い出したのね。てっきり、サウラ王子だと思っていたわ」
「言い出したのは僕だけど、サウラも変えようと思っていたみたいだよ。僕も加わって大人になっていって、フェガリも変えていこうってなったんだ」
楽しそうに言うラウルだが、やはり常人には理解しがたいと思う。もしカミリアがラウルの立場なら、サウラから話を聞いても、シャムスを滅ぼそうと思うかもしれない。自国の王子ですら、黒髪だからと笑う国民に、可能性を見出だせると考えられない気がする。
目を細めて懐かしそうに話すラウルだが、貴族になるまで血の滲むような努力をしてきたのだろう。聞いているだけで胸が締め付けられる。
「本当に壮絶な人生ね……」
「まぁね。けど、僕の人生が楽しくなるのは、この後から」
ラウルは楽しそうに言うが、本当にそうなのか疑問だった。以前オネストも言っていたが、ラウルは大人しそうな顔をしてとんでもないことを平然とやってのける。そんな超人の楽しいことは、本当に楽しいことなのだろうか?
「サウラからシャムスの話を改めて聞いて、考えが変わったんだ。この狂った国を変えることの方が、潰すよりも復讐になるんじゃないかってね。サウラはその悪巧みに乗ってくれたよ。それから僕達は、文通をする仲になったんだ」
「シャムスを変えるって、あなたが言い出したのね。てっきり、サウラ王子だと思っていたわ」
「言い出したのは僕だけど、サウラも変えようと思っていたみたいだよ。僕も加わって大人になっていって、フェガリも変えていこうってなったんだ」
楽しそうに言うラウルだが、やはり常人には理解しがたいと思う。もしカミリアがラウルの立場なら、サウラから話を聞いても、シャムスを滅ぼそうと思うかもしれない。自国の王子ですら、黒髪だからと笑う国民に、可能性を見出だせると考えられない気がする。