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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第4章 フェガリ
「何故公爵のラウルが?」
「フェガリの習わしで、貴族も王族も月に1回は農業の手伝いをして、食べ物のありがたみを再確認するんだよ。予定表が組まれていてね、今日は僕の番なんだ」
畑仕事は病み上がりの人間には酷な仕事だろう。オネストが止めるのも頷ける。だが、これほどまでに農業を尊重している国なら、この公務はかなり重要だ。この公務にラウルが出なかったら、評判が落ちる可能性が高いのも、察しがつく。国王を目指しているラウルにとって、これは大損害だ。
「見張りも兼ねて、私がついて行く。だから、行かせてあげて」
「ソニア様は、またラウル様が倒れられてもいいとおっしゃるのですか?」
想像以上に過保護なオネストに笑いそうになるのをぐっと堪える。ラウルはというと、オネストから自分の顔は見えないからと、笑いを堪えるカミリアを見てニヤニヤしている。
(あなたのために言ってるの!)
心の中でラウルを叱ると、オネストに向き合った。
「畑仕事を休んだら、ラウルの評判が下がるんじゃない? 厳しいことを言うようだけど、ラウルが体調を崩していたなんて、国民には関係のないことなんだから。本当にラウルを思うなら、公務に行かせるべきよ。私が無理しないように見張ってるから、公務に行かせてあげて」
オネストは難しい顔をして唸る。どうやらカミリアの説得はだいぶ響いているようだ。
「いいじゃないですか、オネストさん。ラウル様が心配なのは分かりますけど、もう子供じゃないんですから」
「そうよ、オネスト。それに、ソニア様がついて行ってくれるなら安心じゃない」
サージュとルナが後押ししてくれる。オネストは咳払いをして、ルナを睨みつけた。
「ルナ、主人達の前では私語を控えなさい」
ルナを叱責するが、考えは更に揺らいでいるらしく、眉間に皺が寄っている。きっとあとひと押しだ。だが、カミリアは言うべきことをすべて言ってしまった。ふたりが更に畳み掛けてくれることを祈る。
「フェガリの習わしで、貴族も王族も月に1回は農業の手伝いをして、食べ物のありがたみを再確認するんだよ。予定表が組まれていてね、今日は僕の番なんだ」
畑仕事は病み上がりの人間には酷な仕事だろう。オネストが止めるのも頷ける。だが、これほどまでに農業を尊重している国なら、この公務はかなり重要だ。この公務にラウルが出なかったら、評判が落ちる可能性が高いのも、察しがつく。国王を目指しているラウルにとって、これは大損害だ。
「見張りも兼ねて、私がついて行く。だから、行かせてあげて」
「ソニア様は、またラウル様が倒れられてもいいとおっしゃるのですか?」
想像以上に過保護なオネストに笑いそうになるのをぐっと堪える。ラウルはというと、オネストから自分の顔は見えないからと、笑いを堪えるカミリアを見てニヤニヤしている。
(あなたのために言ってるの!)
心の中でラウルを叱ると、オネストに向き合った。
「畑仕事を休んだら、ラウルの評判が下がるんじゃない? 厳しいことを言うようだけど、ラウルが体調を崩していたなんて、国民には関係のないことなんだから。本当にラウルを思うなら、公務に行かせるべきよ。私が無理しないように見張ってるから、公務に行かせてあげて」
オネストは難しい顔をして唸る。どうやらカミリアの説得はだいぶ響いているようだ。
「いいじゃないですか、オネストさん。ラウル様が心配なのは分かりますけど、もう子供じゃないんですから」
「そうよ、オネスト。それに、ソニア様がついて行ってくれるなら安心じゃない」
サージュとルナが後押ししてくれる。オネストは咳払いをして、ルナを睨みつけた。
「ルナ、主人達の前では私語を控えなさい」
ルナを叱責するが、考えは更に揺らいでいるらしく、眉間に皺が寄っている。きっとあとひと押しだ。だが、カミリアは言うべきことをすべて言ってしまった。ふたりが更に畳み掛けてくれることを祈る。