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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第1章 1章 くすんだ太陽
「やはり罠だったか!」
「罠だと思いながらもわざわざ来たのか? 馬鹿な女だ。お前はここで死ね!」
ドゥムは大剣を横に振る。すんでのところでそれを避けると、今度は後ろから刺突される。咄嗟にレイピアを抜き、弾いた。案内していた騎士が、ニタリと笑って斬りつける。ギリギリのところで避けて、バックステップでふたりから距離を取った。
「くっ!」
「女が調子に乗んな!」
「何が氷の戦乙女だ!」
いつの間にか洞窟の上にいた騎士達も降りてきて、カミリアに襲いかかる。カミリアはすべての攻撃を避けながら、打開策を必死に考える。
「いつまで逃げてるんだ? 馬鹿女が。冥土の土産に教えてやる。トロールが出たってのは嘘だ。お前をここで殺すために、デマを伝えさせたんだよ!」
「っ!」
ドゥムは大剣を大きく振り落とすも、カミリアは地面を転がって避ける。ドゥムの大剣は地面に刺さり、抜くのに四苦八苦している。その間に他の騎士達が襲ってくるため、呼吸を整えるのもままならない。
(どうずればいい? 考えろ!)
自分に言い聞かせ、必死に頭を回す。ドゥムとは犬猿の仲で、1日でもはやく辞めてほしいと思っていた。それでも仲間であることに変わりない。自分を罠にはめた相手でも、仲間である彼らを切り捨てるのは抵抗がある。
普通の剣なら峰打ちもできただろうが、刺突用であるレイピアでは峰打ちで気絶させるのは難しい。
「せいっ!」
騎士の剣を後ろに下がって避けると、踵に違和感を覚える。振り返ってみると、崖に落ちる寸前だった。
「しまった!」
「つくづく馬鹿な女だ。自分から死にに行くなんてよぉ。あの世で自分の甘さを恨むんだな」
ドゥムが大剣を振り上げる。
(こんな男に斬り殺されるくらいなら……!)
カミリアが崖に飛び込もうとした瞬間、騎士が悲鳴を上げる。何事かとドゥム達が振り返り、目を見開く。彼らが邪魔で見えないが、誰かが助けに来てくれたことだけは分かる。
「罠だと思いながらもわざわざ来たのか? 馬鹿な女だ。お前はここで死ね!」
ドゥムは大剣を横に振る。すんでのところでそれを避けると、今度は後ろから刺突される。咄嗟にレイピアを抜き、弾いた。案内していた騎士が、ニタリと笑って斬りつける。ギリギリのところで避けて、バックステップでふたりから距離を取った。
「くっ!」
「女が調子に乗んな!」
「何が氷の戦乙女だ!」
いつの間にか洞窟の上にいた騎士達も降りてきて、カミリアに襲いかかる。カミリアはすべての攻撃を避けながら、打開策を必死に考える。
「いつまで逃げてるんだ? 馬鹿女が。冥土の土産に教えてやる。トロールが出たってのは嘘だ。お前をここで殺すために、デマを伝えさせたんだよ!」
「っ!」
ドゥムは大剣を大きく振り落とすも、カミリアは地面を転がって避ける。ドゥムの大剣は地面に刺さり、抜くのに四苦八苦している。その間に他の騎士達が襲ってくるため、呼吸を整えるのもままならない。
(どうずればいい? 考えろ!)
自分に言い聞かせ、必死に頭を回す。ドゥムとは犬猿の仲で、1日でもはやく辞めてほしいと思っていた。それでも仲間であることに変わりない。自分を罠にはめた相手でも、仲間である彼らを切り捨てるのは抵抗がある。
普通の剣なら峰打ちもできただろうが、刺突用であるレイピアでは峰打ちで気絶させるのは難しい。
「せいっ!」
騎士の剣を後ろに下がって避けると、踵に違和感を覚える。振り返ってみると、崖に落ちる寸前だった。
「しまった!」
「つくづく馬鹿な女だ。自分から死にに行くなんてよぉ。あの世で自分の甘さを恨むんだな」
ドゥムが大剣を振り上げる。
(こんな男に斬り殺されるくらいなら……!)
カミリアが崖に飛び込もうとした瞬間、騎士が悲鳴を上げる。何事かとドゥム達が振り返り、目を見開く。彼らが邪魔で見えないが、誰かが助けに来てくれたことだけは分かる。