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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第5章 5章 陰謀渦巻く舞踏会
「さぁ、ソニア様。楽しい楽しい試着の時間ですよ」
どことなく狂気が滲むラプティスの笑みに、カミリアは頬を引きつらせる。
(着替えするだけで、なんでこんなに緊張するの……)
カミリアはラプティスにドレスを着付けてもらう。その間、妙にそわそわしてしまったが、無事に着替えることができた。
「まぁ、素敵ですわ! 鏡をご覧になって!」
ラプティスはカミリアの腕をぐいぐい引っ張り、姿見の前に彼女を立たせた。鏡に写った自分の姿を、カミリアは不思議な気持ちで見つめる。ドレスを着ただけで、どこかの令嬢のように見える。少なくとも、騎士の面影はそこにはない。まるで他人の空似でも見ているような、そんな気分だ。
「お気に召しませんの?」
何も言わないカミリアに、ラプティスは不安げに聞く。彼女の顔を見ると、眉尻を下げ、口を一文字にしている。クマや痩けた頬も相まって、余計に可哀想に見えてしまい、カミリアは必死に首を横に振る。
「いいえ、そうじゃないんです。こんなに素敵なドレスを着るのは初めてだったので、自分じゃないような気がして……」
カミリアの言葉に、ラプティスの表情はぱぁっと明るくなる。気がつけば距離を縮められ、手を握られていた。
「もったいないお言葉です! あぁ、私はなんて幸せ者なんでしょう! ソニア様が望むのなら、私はどんなドレスでも……」
ラプティスのマシンガントークは、ラウルがドアをノックして止めた。ラプティスは忌々しげにドアを睨みつけると、大きなため息をついてドアを開けた。
「想像以上によく似合ってるよ、ソニア。とても綺麗だ。こんなに素敵な女性と舞踏会に行けるなんて、夢みたいだ。3日後が待ちきれないよ」
ラウルはカミリアを見るなり、手放しに褒める。ラウルの甘い言葉には慣れたつもりでいたが、ここまで褒められると照れてしまい、どう返していいのか分からなくなる。
「ありがとう……」
小声でお礼を言って顔を背けると、ラウルに抱きしめられる。仄かな甘い香りと自分より高い体温に、胸の鼓動がやかましいくらいに高鳴る。
どことなく狂気が滲むラプティスの笑みに、カミリアは頬を引きつらせる。
(着替えするだけで、なんでこんなに緊張するの……)
カミリアはラプティスにドレスを着付けてもらう。その間、妙にそわそわしてしまったが、無事に着替えることができた。
「まぁ、素敵ですわ! 鏡をご覧になって!」
ラプティスはカミリアの腕をぐいぐい引っ張り、姿見の前に彼女を立たせた。鏡に写った自分の姿を、カミリアは不思議な気持ちで見つめる。ドレスを着ただけで、どこかの令嬢のように見える。少なくとも、騎士の面影はそこにはない。まるで他人の空似でも見ているような、そんな気分だ。
「お気に召しませんの?」
何も言わないカミリアに、ラプティスは不安げに聞く。彼女の顔を見ると、眉尻を下げ、口を一文字にしている。クマや痩けた頬も相まって、余計に可哀想に見えてしまい、カミリアは必死に首を横に振る。
「いいえ、そうじゃないんです。こんなに素敵なドレスを着るのは初めてだったので、自分じゃないような気がして……」
カミリアの言葉に、ラプティスの表情はぱぁっと明るくなる。気がつけば距離を縮められ、手を握られていた。
「もったいないお言葉です! あぁ、私はなんて幸せ者なんでしょう! ソニア様が望むのなら、私はどんなドレスでも……」
ラプティスのマシンガントークは、ラウルがドアをノックして止めた。ラプティスは忌々しげにドアを睨みつけると、大きなため息をついてドアを開けた。
「想像以上によく似合ってるよ、ソニア。とても綺麗だ。こんなに素敵な女性と舞踏会に行けるなんて、夢みたいだ。3日後が待ちきれないよ」
ラウルはカミリアを見るなり、手放しに褒める。ラウルの甘い言葉には慣れたつもりでいたが、ここまで褒められると照れてしまい、どう返していいのか分からなくなる。
「ありがとう……」
小声でお礼を言って顔を背けると、ラウルに抱きしめられる。仄かな甘い香りと自分より高い体温に、胸の鼓動がやかましいくらいに高鳴る。