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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第5章 5章 陰謀渦巻く舞踏会
「本当に綺麗だ……。僕にはもったいないよ」
しみじみと言われ、どう返そうか考えていると、ラプティスのため息が聞こえた。
「えぇ、本当に勿体無いです」
「厳しいなぁ」
ラウルは苦笑しながらカミリアから離れる。カミリアは内心ラプティスに感謝するが、彼女が何故こんなにもラウルを疎ましく思うのかが理解できない。
「他のドレス姿も見ていきたいところですが、そろそろお暇しますわ。ソニア様、着たい服があったらいつでもお声がけくださいね」
ラプティスは猫なで声でカミリアに言うと、トランクケースを抱えて部屋を出た。
「嵐のような人ね」
「昔からああなんだよ」
ラウルはやれやれと肩をすくめ、苦笑する。口ぶりからしてラプティスとも付き合いが長いのだろう。
「ねぇ、ラウル。ラプティスさんはあなたを嫌ってるように見えるけど、何かあったの?」
「あぁ、何かあったというか、彼女の勘違いだね」
何がおかしいのか、ラウルはクスクス笑う。
「叔父が生きてる頃から彼女にはお世話になっててね。僕が小さい頃、採寸する時に服を脱ぐのを嫌がって、薄手の服の上から測ってもらったことがあったんだ。ラプティスは、僕が裸を見られるのを恥ずかしがってる女の子だと勘違いしてね。張り切ってドレスやワンピースを作ってきてくれたんだけど、納品時に叔父から僕が男だと聞かされ、ショックを受けたんだって」
「一生懸命作ったのに着てもらえないのはショックでしょうけど、それであの態度はちょっと……」
カミリアは仕立ててもらったドレスに目をやる。服の知識はほとんどないが、この短期間でこれだけ立派なドレスを3着も作り上げるのは、並々ならぬ努力がいるだろう。
きっとラウルのためにワンピースなどを作った時も、こだわり抜いて作ったはずだ。それが無駄になるのはショックだろうが、それでもラプティスのラウルに対する態度は褒められたものではない。
「ラプティスがショックだったのは、服が無駄になったことじゃなくて、僕が男だったことだよ」
思い出し笑いしながら言うラウルに、カミリアの頭の中は疑問符でいっぱいになる。
しみじみと言われ、どう返そうか考えていると、ラプティスのため息が聞こえた。
「えぇ、本当に勿体無いです」
「厳しいなぁ」
ラウルは苦笑しながらカミリアから離れる。カミリアは内心ラプティスに感謝するが、彼女が何故こんなにもラウルを疎ましく思うのかが理解できない。
「他のドレス姿も見ていきたいところですが、そろそろお暇しますわ。ソニア様、着たい服があったらいつでもお声がけくださいね」
ラプティスは猫なで声でカミリアに言うと、トランクケースを抱えて部屋を出た。
「嵐のような人ね」
「昔からああなんだよ」
ラウルはやれやれと肩をすくめ、苦笑する。口ぶりからしてラプティスとも付き合いが長いのだろう。
「ねぇ、ラウル。ラプティスさんはあなたを嫌ってるように見えるけど、何かあったの?」
「あぁ、何かあったというか、彼女の勘違いだね」
何がおかしいのか、ラウルはクスクス笑う。
「叔父が生きてる頃から彼女にはお世話になっててね。僕が小さい頃、採寸する時に服を脱ぐのを嫌がって、薄手の服の上から測ってもらったことがあったんだ。ラプティスは、僕が裸を見られるのを恥ずかしがってる女の子だと勘違いしてね。張り切ってドレスやワンピースを作ってきてくれたんだけど、納品時に叔父から僕が男だと聞かされ、ショックを受けたんだって」
「一生懸命作ったのに着てもらえないのはショックでしょうけど、それであの態度はちょっと……」
カミリアは仕立ててもらったドレスに目をやる。服の知識はほとんどないが、この短期間でこれだけ立派なドレスを3着も作り上げるのは、並々ならぬ努力がいるだろう。
きっとラウルのためにワンピースなどを作った時も、こだわり抜いて作ったはずだ。それが無駄になるのはショックだろうが、それでもラプティスのラウルに対する態度は褒められたものではない。
「ラプティスがショックだったのは、服が無駄になったことじゃなくて、僕が男だったことだよ」
思い出し笑いしながら言うラウルに、カミリアの頭の中は疑問符でいっぱいになる。