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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第5章 5章 陰謀渦巻く舞踏会
「3日目はシャムスの貴族の屋敷で晩餐会。ここではシャムス人とフェガリ人が同じ人数集められ、本格的な情報交換をする場となっているんだ。4日目は舞踏会。晩餐会で一緒になった人達は確実にいるだろうね。前日の晩餐会参加者を1組として、3組から4組集めた小さな舞踏会なんだ。5日目はフェガリの貴族の屋敷で晩餐会。6日目は4日目と同じような感じで、7日目はまた全員集めた舞踏会」
「なんだか面倒ね」
カミリアはため息をつく。正直、舞踏会と晩餐会が繰り返されるとしか覚えていない。ラウルはそんなカミリアを見て、困ったように笑う。
「貴族は面倒なのが好きだから仕方ないね。僕としても、もっとシンプルな方法で仲良くなってほしいんだけど、彼らは疑り深いから」
ラウルの話を聞いて、貴族の考えは性に合わないと、改めて思う。はやく1週間が終わらないかと考えていると、ラウルは真剣な顔をした。自然とカミリアの背筋も伸びる。
「国王候補に、アストゥート・ギタレスという男がいるんだけど、この男に気を付けてほしい。彼は外面はいいんだけど、黒い噂が絶えなくてね。特に、欲しいものはどんな手を使ってでも手に入れると言われてるんだ」
「私が思い描いてた貴族像ね、気をつける」
「アイツは、そんな生ぬるいモンじゃないよ」
眉間に皺を寄せるラウルに、カミリアは息を呑む。彼がここまで言うのなら、よっぽど悪どい男なのだろう。
「分かった、ちゃんと気をつける」
「あぁ、是非そうして」
ようやくラウルの表情が和らぎ、カミリアは内心ホッとする。それから城に着くまで、ラウルは舞踏会の作法を教えこんだ。
城に着くと、お揃いのマスカレードマスクをつけて中に入る。舞踏会場へと続く廊下を歩いていると、シャムスの騎士と、青い鎧を着た騎士とすれ違う。青い鎧は、フェガリの騎士なのだろう。彼らはしきりにあちこちを見回し、鎧をガシャガシャいわせている。フェガリの騎士団が心もとないというのは、事実のようだ。
「なんだか面倒ね」
カミリアはため息をつく。正直、舞踏会と晩餐会が繰り返されるとしか覚えていない。ラウルはそんなカミリアを見て、困ったように笑う。
「貴族は面倒なのが好きだから仕方ないね。僕としても、もっとシンプルな方法で仲良くなってほしいんだけど、彼らは疑り深いから」
ラウルの話を聞いて、貴族の考えは性に合わないと、改めて思う。はやく1週間が終わらないかと考えていると、ラウルは真剣な顔をした。自然とカミリアの背筋も伸びる。
「国王候補に、アストゥート・ギタレスという男がいるんだけど、この男に気を付けてほしい。彼は外面はいいんだけど、黒い噂が絶えなくてね。特に、欲しいものはどんな手を使ってでも手に入れると言われてるんだ」
「私が思い描いてた貴族像ね、気をつける」
「アイツは、そんな生ぬるいモンじゃないよ」
眉間に皺を寄せるラウルに、カミリアは息を呑む。彼がここまで言うのなら、よっぽど悪どい男なのだろう。
「分かった、ちゃんと気をつける」
「あぁ、是非そうして」
ようやくラウルの表情が和らぎ、カミリアは内心ホッとする。それから城に着くまで、ラウルは舞踏会の作法を教えこんだ。
城に着くと、お揃いのマスカレードマスクをつけて中に入る。舞踏会場へと続く廊下を歩いていると、シャムスの騎士と、青い鎧を着た騎士とすれ違う。青い鎧は、フェガリの騎士なのだろう。彼らはしきりにあちこちを見回し、鎧をガシャガシャいわせている。フェガリの騎士団が心もとないというのは、事実のようだ。