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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第5章 5章 陰謀渦巻く舞踏会
サウラの恋を叶えるためには、どう変えるのか聞こうとすると、ワルツが流れ始めた。辺りを見ると、紳士は淑女をダンスに誘っている。
「愛しい人、僕と踊っていただけませんか?」
ラウルは微笑を浮かべ、手を差し伸べている。優雅な笑顔と仕草に不覚にもときめいてしまい、断りたくなったが、今の自分はラウルの婚約者だと言い聞かせ、彼の手を取った。
(ドキッとしたのは、この場の空気のせい)
ラウルにときめいたわけではないと、無理やり思い込みながら、ラウルの肩に手を添える。
ゆったりとした音楽に合わせ、ステップを踏む。馬車の中では上手く踊れるか心配だったが、ラウルに身を委ね、リラックスして踊れている自分がいた。あちこちから賞賛の声が聞こえ、嬉しさと照れくささが入り交じる。
「注目されてるね、僕達」
「あなたが私を踊らせるのが上手いから」
「カミリアが魅力的だからだよ。他の男に取られないように、気をつけなくちゃ」
不意に耳元で囁かれ、胸が高鳴る。ときめきを、雰囲気のせいにできなくなってしまった。
曲が終わると、ふたりは飲み物を取りに食事が用意されている部屋へ向かう。その途中、誰かがラウルを呼び止めた。
「やぁ、ラウル。さっきのダンス、素晴らしかったよ」
焦げ茶色の髪をオールバックにした青年が、にこやかに話しかけてくる。黒い仮面をしていても、美青年なのが分かる。
「ありがとう、アストゥート。僕のパートナーが素晴らしいからね」
ラウルはカミリアの肩を抱き寄せる。その手は他の貴族に紹介してもらった時よりも、力がこめられていて。守られているような気がした。
「美しい女性だね。初めまして、俺はアストゥート・ギタレス。ラウルとは古い知り合いなんだ。よろしく」
「ラウル様の婚約者、ソニアです」
差し出された手に気づかないフリをして、うつむき気味に挨拶をする。
「ソニアはちょっと人見知りでね」
ラウルはカミリアの髪を撫でながら、彼女を愛おしそうに見つめる。アストゥートは一瞬顔をしかめるも、すぐに笑顔になる。
「愛しい人、僕と踊っていただけませんか?」
ラウルは微笑を浮かべ、手を差し伸べている。優雅な笑顔と仕草に不覚にもときめいてしまい、断りたくなったが、今の自分はラウルの婚約者だと言い聞かせ、彼の手を取った。
(ドキッとしたのは、この場の空気のせい)
ラウルにときめいたわけではないと、無理やり思い込みながら、ラウルの肩に手を添える。
ゆったりとした音楽に合わせ、ステップを踏む。馬車の中では上手く踊れるか心配だったが、ラウルに身を委ね、リラックスして踊れている自分がいた。あちこちから賞賛の声が聞こえ、嬉しさと照れくささが入り交じる。
「注目されてるね、僕達」
「あなたが私を踊らせるのが上手いから」
「カミリアが魅力的だからだよ。他の男に取られないように、気をつけなくちゃ」
不意に耳元で囁かれ、胸が高鳴る。ときめきを、雰囲気のせいにできなくなってしまった。
曲が終わると、ふたりは飲み物を取りに食事が用意されている部屋へ向かう。その途中、誰かがラウルを呼び止めた。
「やぁ、ラウル。さっきのダンス、素晴らしかったよ」
焦げ茶色の髪をオールバックにした青年が、にこやかに話しかけてくる。黒い仮面をしていても、美青年なのが分かる。
「ありがとう、アストゥート。僕のパートナーが素晴らしいからね」
ラウルはカミリアの肩を抱き寄せる。その手は他の貴族に紹介してもらった時よりも、力がこめられていて。守られているような気がした。
「美しい女性だね。初めまして、俺はアストゥート・ギタレス。ラウルとは古い知り合いなんだ。よろしく」
「ラウル様の婚約者、ソニアです」
差し出された手に気づかないフリをして、うつむき気味に挨拶をする。
「ソニアはちょっと人見知りでね」
ラウルはカミリアの髪を撫でながら、彼女を愛おしそうに見つめる。アストゥートは一瞬顔をしかめるも、すぐに笑顔になる。