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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第6章 6章 光と影
「ありがとう、ラウル。大事にするわ」
「そう言ってもらえて嬉しいよ。僕がつけてもいい?」
「えぇ、もちろん」
ラウルにネックレスを手渡すと、彼はベッドに膝をついてカミリアにネックレスをつけた。一瞬だけ首に触れたラウルの手に、身体が小さく跳ねてしまう。
「うん、よく似合ってるよ」
ラウルは満足げに頷くと、再び真剣な顔をする。
「詳細は後で話すけど、今夜はフェガリのフローレス家で晩餐会をすることになっているんだ。そこにはサウラとフェガリの現国王、ノクスが来る予定だ」
「現国王って、生きていたの?」
カミリアは目を丸くする。国王を決めようとしているから、てっきり国王は亡くなったと思い込んでいた。生きていたとしても、病で床に伏せっているだろうと思っていたのだ。
「国王は元気だよ。まだ40代だしね」
「じゃあなんで……」
「国王の暮らしは性に合わないんだって。隠居して大きな畑で美味しい野菜や果実を作って暮らしたいんだって」
そう言ってラウルは苦笑する。カミリアはあまりにも自由すぎるフェガリに気が抜けた。性に合わないからと言って国王をやめたがるノクス王の考えは、責任感の強いカミリアには理解しがたいものだった。
「変人だけど、悪い人ではないよ。それと、晩餐会を主催するフローレス公爵は、昔から国王に仕える人でね。立派な思想を持っているんだ」
フローレスという苗字に、カミリアは目を輝かせる。さっきは無茶苦茶な国王の話でそれどころではなかったが、またリュゼに会えるかもしれないと思うと、それだけで心が弾む。
「嬉しそうだね」
「フローレスってことは、リュゼの家なんでしょう?」
カミリアの言葉に、ラウルは思い出したようにあぁ、と声を出す。
「フローレス公爵には可愛らしい娘さんがいるって聞いたことはあるけど、紹介してもらえなかったからね。フローレス公爵は子煩悩で、『お前みたいな人たらしに娘を紹介するわけにはいかんっ!』って言われて、会ったことがないんだ。だから、彼女があの人の娘かどうかは分からない。ちっとも似てなかったしね」
そう言ってラウルは思い出し笑いをする。リュゼの父親かもしれないフローレス公爵が気になった。
「そう言ってもらえて嬉しいよ。僕がつけてもいい?」
「えぇ、もちろん」
ラウルにネックレスを手渡すと、彼はベッドに膝をついてカミリアにネックレスをつけた。一瞬だけ首に触れたラウルの手に、身体が小さく跳ねてしまう。
「うん、よく似合ってるよ」
ラウルは満足げに頷くと、再び真剣な顔をする。
「詳細は後で話すけど、今夜はフェガリのフローレス家で晩餐会をすることになっているんだ。そこにはサウラとフェガリの現国王、ノクスが来る予定だ」
「現国王って、生きていたの?」
カミリアは目を丸くする。国王を決めようとしているから、てっきり国王は亡くなったと思い込んでいた。生きていたとしても、病で床に伏せっているだろうと思っていたのだ。
「国王は元気だよ。まだ40代だしね」
「じゃあなんで……」
「国王の暮らしは性に合わないんだって。隠居して大きな畑で美味しい野菜や果実を作って暮らしたいんだって」
そう言ってラウルは苦笑する。カミリアはあまりにも自由すぎるフェガリに気が抜けた。性に合わないからと言って国王をやめたがるノクス王の考えは、責任感の強いカミリアには理解しがたいものだった。
「変人だけど、悪い人ではないよ。それと、晩餐会を主催するフローレス公爵は、昔から国王に仕える人でね。立派な思想を持っているんだ」
フローレスという苗字に、カミリアは目を輝かせる。さっきは無茶苦茶な国王の話でそれどころではなかったが、またリュゼに会えるかもしれないと思うと、それだけで心が弾む。
「嬉しそうだね」
「フローレスってことは、リュゼの家なんでしょう?」
カミリアの言葉に、ラウルは思い出したようにあぁ、と声を出す。
「フローレス公爵には可愛らしい娘さんがいるって聞いたことはあるけど、紹介してもらえなかったからね。フローレス公爵は子煩悩で、『お前みたいな人たらしに娘を紹介するわけにはいかんっ!』って言われて、会ったことがないんだ。だから、彼女があの人の娘かどうかは分からない。ちっとも似てなかったしね」
そう言ってラウルは思い出し笑いをする。リュゼの父親かもしれないフローレス公爵が気になった。