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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第6章 6章 光と影
屋敷に着くと、カミリアとハーディはカミリアの部屋に行った。ラウルはオネストを自室に呼び、チェスの相手をさせる。
「正式なご婚約おめでとうございます。しかし、いいのですか? 婚約が決まった夜ですのに」
オネストは神経質そうにモノクルを直しながら聞く。ハーディのことを言っているのだと察したラウルは、小さく笑った。
「ふたりの友情を邪魔するのは無粋だからね。それに、カミリアは逃げないさ」
「左様でございますか」
オネストは興味なさそうに言いながら、駒を動かす。ラウルは彼の口角が少しだけ上がっていることに気づき、素直じゃない執事に苦笑する。
その頃カミリアとハーディは、大きなベッドの上でソファを抱えながらおしゃべりをしていた。
「そういえば、答えたくなかったら答えなくていいんだけど、私、ハーディになんかした?」
「え?」
「ほら、裏切り者って……」
カミリアが言いづらそうに言うと、ハーディは申し訳なさそうな顔をして話し始めた。カミリアが自分にないものばかり持っていること、自警団の先輩、恋愛に興味ないと言いながらモテること、そして、ラウルのこと。
「そうやって聞くと、私って嫌な女ね」
「違うの。私はただ、カミリアが羨ましかっただけ。綺麗で強いカミリアに憧れてた。それが、いつの間にか嫉妬に変わっていって……」
うつむくハーディを、カミリアは優しく抱きしめた。
「何言ってるの。ハーディにしかない良さだって、いっぱいあるのよ? 朝まで語るんだから」
「そんなにある?」
ふたりは笑い合い、朝まで語り合ったのだった。
「正式なご婚約おめでとうございます。しかし、いいのですか? 婚約が決まった夜ですのに」
オネストは神経質そうにモノクルを直しながら聞く。ハーディのことを言っているのだと察したラウルは、小さく笑った。
「ふたりの友情を邪魔するのは無粋だからね。それに、カミリアは逃げないさ」
「左様でございますか」
オネストは興味なさそうに言いながら、駒を動かす。ラウルは彼の口角が少しだけ上がっていることに気づき、素直じゃない執事に苦笑する。
その頃カミリアとハーディは、大きなベッドの上でソファを抱えながらおしゃべりをしていた。
「そういえば、答えたくなかったら答えなくていいんだけど、私、ハーディになんかした?」
「え?」
「ほら、裏切り者って……」
カミリアが言いづらそうに言うと、ハーディは申し訳なさそうな顔をして話し始めた。カミリアが自分にないものばかり持っていること、自警団の先輩、恋愛に興味ないと言いながらモテること、そして、ラウルのこと。
「そうやって聞くと、私って嫌な女ね」
「違うの。私はただ、カミリアが羨ましかっただけ。綺麗で強いカミリアに憧れてた。それが、いつの間にか嫉妬に変わっていって……」
うつむくハーディを、カミリアは優しく抱きしめた。
「何言ってるの。ハーディにしかない良さだって、いっぱいあるのよ? 朝まで語るんだから」
「そんなにある?」
ふたりは笑い合い、朝まで語り合ったのだった。