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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第1章 1章 くすんだ太陽
「どうしたの?」
「明日の試合、なんだか不安で……」
「珍しいね、カミリアがそんなこと言うなんて。あのドゥムも打ち負かしたカミリアなら、大丈夫」
「うん、ありがとう」
 微笑むも、不安は拭えない。ラウルの圧倒的な剣技を思い出すだけで、息が苦しくなる。単に騎士団長の座を奪われるのが怖いというわけではない。ずっと大事だと思ってきたその地位さえも、心の中で揺らいでしまうような、なんとも言えない不安が漠然と広がっている。

 明日、自分は騎士団長ではなくなる。
 それだけは分かっていた。

 そんな確信を押し殺しながら、カミリアはハーディとの時間を大事にする。
 小一時間もすると、ハーディがあくびをする。少し遅れて、カミリアも。それが解散の合図となり、ハーディは食器をトレーに乗せて立ち上がる。
「またね、カミリア。明日は頑張ろうね、おやすみ」
「うん、おやすみ」
 ハーディが部屋を出ると、カミリアは大きなため息をつき、ベッドの上で丸くなる。

「明日、どうなるんだろう?」
 不安なのは、明日だけではない。ラウルの存在が騎士団を、それ以上に大きな何かを変えてしまうのではないかという予感がする。
 行き場のない感情を抱えたまま、カミリアは浅い眠りについた。

 翌朝、カミリアは身だしなみを整えて食堂へ向かう。
 この時間、いつもは数人しかいないのだが、既に半数近くの騎士達が朝食を食べている。ピリピリした空気の中、隅の席だけ和やかな雰囲気だ。
「ここのごはん、美味しいですね」
「だろー? お前細いし、どんどん食えよ」
 ラウルとラートが、場違いなほど明るい声音で雑談をし、朝食を楽しんでいる。それが他の騎士達を更にピリピリさせた。

「まったく……」
 緊張感のないふたりに呆れながらも、内心羨ましく思う。
 カミリアは彼らから1番離れた席で朝食を食べた。

 朝食が終わった1時間後、訓練所には多くの騎士達が集まっている。少し離れたところに椅子が置かれ、サウラが座っている。サウラを挟むように、カミリアと第1部隊隊長のリアンが立っている。本来なら副団長であるドゥムがサウラの隣に立つはずだが、罪人となったため、リアンが立つことになった。
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